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週べ60周年記念

東京・飯島秀雄、背番号は88/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

田淵密会事件はたまたま?


表紙は巨人柴田勲



 今回は『1968年12月23日号』。定価は60円。
 
 正式に阪神入りした田淵幸一だが、驚くべきことに(?)、巨人はまだあきらめていなかった。
「阪神に正式にトレードを申し入れたい」
 と前川スカウト部長はきっぱり。
 世間の猛反発を呼び、田淵獲得裏交渉を事実上断念したきっかけになったと言われるのが、田淵と巨人・沢田幸夫スカウトのホテルニューオータニで密会を新聞社にスクープされたという事件。田淵とは大学時代から旧知の高田繁が間に入ったと言われる。これについては、

「偶然に会ったのだろう。沢田に田淵に会えとは言っていない。沢田は田淵と一緒になったら突然フラッシュをたかれたと言っている」
 かなり苦しい言い訳だ。

 東京のドラフト9位、飯島秀雄が正式契約背番号88をもらい、早くも東京球場の秋季キャンプに合流している。
 88は永田雅一オーナーが「ダブルエイトで末広がり、縁起がいい」と決めたもので、河野旭輝が56年につくった盗塁記録85を更新してほしい、という意味もある。

 飯島は「88個を目指して頑張りますが、8個くらいしかできなかったらどうしようかな」と話していたが、俊足に加えて話題になっていたのは明るく、物おじしない性格。

 グラウンドに出る際、「さあ、8回の裏1点差で無死一塁、代打飯島!」と大声を出しながら飛び出す。
 練習の合間にも盛んに冗談を言い、新人離れというか、悪乗りし過ぎというか。
 もともとが100mの日本記録を持つ超大物陸上選手。しかも、契約後、3日に一度はテレビ、ラジオに出演しているというから、こうなって当然か。

 与那嶺要コーチは、
「さすがにオリンピックの檜舞台で活躍しただけに、ものおじしないところが気に入った。一緒に練習していて、こっちも楽しくなってくる。この性格ならひょっとするかもしれん」
 と話していた。

 二刀流で話題となった近鉄・永淵洋三。オフに結婚式を挙げる予定が延期になった。理由がいい。
「じつは、ちょっとばかり飲み過ぎてしまい、結婚費用が足りなくなってしまったんです。しようがないから来年に延ばしました」

 では、また月曜日に。

<次回に続く>

写真=BBM

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