昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 飯島秀雄が語る俺の足の生かし方
今回は『1969年1月13・20日合併号』。定価は70円。
巻頭から二大対談があった。
一本目は「
阪神・
江夏豊×
田淵幸一(新人)」の若虎バッテリー、二本目は「巨人・
柴田勲×東京・
飯島秀雄(新人)」の快足対談。豪華である。
阪神バッテリー対談。最初は江夏が、
「わあ、でかいなあ。田淵さん、何食ってそんなにでかくなったんですか(笑)」
と先制パンチ。
その後のやり取りも、初顔合わせながら、なかなか息が合っている。たとえば、
田淵 それにしても夏場に強いそうだね。今年なんか「ええなつ」やったでしょう。
江夏 田淵さん、うまいこといいよる。それなら僕も一席ぶとう。
田淵 なんのこと?
江夏 田淵さんは捕手というポジションにしては、えらいケガに強いらしいね。
田淵 うん、あまり大きなケガはしたことないね。
江夏 そうらしいね。それでチ(血)はタブー(禁物)ということなんや(笑)。
田淵 まったくわれわれは単純にできているな。
仲良きことはよきこと。
快足対談は、飯島がモーションの盗み方やスライディングについて、柴田にいろいろ質問をぶつけていた。
やはりかなり勝手が違うのだろう。
その中で、飯島が自分の起用法で、こんなことを話している。
飯島 代走で出る場合、ワンアウト二、三塁とか一、三塁のときに三塁に出してもらおうかと思ったんですよ。それでベースを利用して待っているんです。それで外野フライのとき、三塁のコーチにポンと手を打って合図してもらう。それでパッと飛び出したら絶対に行きますよ。
かなり出番が限定されるが、10.1の俊足だ。お客さんもわくだろう。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM