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慶大と関大の決勝。伝統校対決は応援もまた素晴らしかった【明治神宮大会】

 

関大は試合前後に応援歌を歌う。ゲーム前はチームの士気を高め、激闘後(写真)はスタンドへの感謝の意味も込められているようだ


■明治神宮大会「決勝」
慶大8対0関大=11月20日(神宮)

 野球と応援は運命共同体だと思っている。

 慶大と関大による明治神宮大会決勝(11月20日)。試合は慶大が8対0で19年ぶり4度目の優勝とワンサイドの展開となったが、神宮の杜はさわやかな空気に包まれた。

 それは、なぜか。

 両校の応援が、素晴らしかったからだ。1888年創部の慶大と、1915年創部の関大による伝統校対決は、スタンドも熱かった。

 関大は47年ぶりに決勝進出。関大・早瀬万豊監督は毎試合、「日本一の応援」と感謝を口にするようにリーダー、チアリーダー、吹奏楽、そして野球部員が一体となって声援を送る。試合前にはスタンド前にメンバーが一列に並び、応援歌を声高らかに歌う。士気が高まる、最高のシチュエーションであった。

関大応援団は関学大との「関関戦」など、多くの大舞台を経験しており、神宮でも素晴らしい空間を作り上げていた


 関大応援団は関西学生リーグにおける関学大との伝統の「関関戦」を甲子園球場で開催するなど、大舞台に慣れている。神宮でも変わらず、統率ある応援を繰り広げていた。チャンスパターンのほかオリジナル曲が多く、1回から9回まで充実のラインアップであった。

 もちろん、慶大も負けていない。ホームグラウンドである神宮球場で、東京六大学リーグ戦と変わらぬ一体感ある応援を披露。取材をしていても思わず、口ずさんでしまうほどノリが良いレパートリーだ。

19年ぶり4度目の優勝を遂げた慶大は閉会式後、メンバーと、控え部員がいるスタンドとともに『若き血』を大合唱した


 試合後がまた、良かった。

 優勝した慶大ナインは一塁応援席前に並び、応援歌『若き血』の大合唱。一方、大健闘を見せた関大も試合前と同様、三塁応援席前で声高らかに応援歌を歌った。

 大会関係者はふと、こう言った。

「大学野球はこれが、良いんです!!」

 お互いの健闘を称え合い、フェアプレーで2019年の学生野球シーズンは幕を閉じた。

文=岡本朋祐 写真=菅原淳
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