チームに欠かせない外国人選手。その働きぶりがチーム成績に直結するが、今オフにも各球団は新外国人選手をしっかりと獲得している。果たして、外国人選手の現状は? パ・リーグ各球団を見ていこう。 ※12月16日現在 オリックス・バファローズ
3年契約最終年となる
ロメロ外野手が条件面で折り合いつかずに退団となり、
マレーロ内野手とも来季は契約を結ばず。今季途中に
中日からトレードで獲得したモヤ外野手は残留する中で、新たにメジャー通算282本塁打を誇るアダム・ジョーンズ外野手(前ダイヤモンドバックス)を獲得した。2013年にはシルバースラッガーを獲得、守っても4度のゴールドグラブ賞、2017年のWBCでは二番・中堅としてアメリカの世界一に貢献したバリバリのメジャー・リーガーが加入。さらにマイナー通算174本塁打の内野手・
ロドリゲス(前パドレス3A)とも契約合意間近の模様だ。
ディクソン、
アルバースの2投手は残留する一方で、野手は新助っ人を招き入れて課題の得点力アップを図っていく。
埼玉西武ライオンズ
野手では2014年、本塁打王に輝いた
メヒア内野手の残留が決まった。今季は主に代打起用で自己最少の75試合出場に終わり、自己ワーストの打率.211、6本塁打。4億円減となる推定年俸1億円となったが、その長打力はチームに欠かせない。新外国人野手ではコーリー・スパンジェンバーグ内野手(前ブリュワーズ)を獲得。内外野を守れるユーティリティー性が武器だ。投手では
マーティン、ヒース、
郭俊麟がチームを去る(
カスティーヨはシーズン途中解雇)。契約延長したのは今季、11連勝をマークした
ニールのみだ。新外国人投手では
ショーン・ノリン投手(元ブルージェイズ)を獲得。メジャー通算5勝、防御率6.89だがチームに不足している先発左腕として期待がかかる。
福岡ソフトバンクホークス
昨オフは全外国人選手が残留となったが、今オフはA.ミランダ、R.
スアレスの2投手がチームを去った(なお、現時点で保留者名簿から外れているY.
グラシアル内野手、A.
デスパイネ外野手は残留の方向でキューバ政府と交渉中)。その代わりというわけではないが、12月16日に球団から、ヤクルトを自由契約になっていたウラディミール・バレンティン外野手の入団合意が発表された。リーグV奪回を誓うチームの仲間に加わった大砲は、喜びの声とともに「新しい環境で好きな野球ができることに幸せを感じています」とコメント。来季から外国人枠を外れることもあり、打線のバリエーションは増加。攻撃力アップは間違いない。
東北楽天ゴールデンイーグルス
投手では
宋家豪、
ブセニッツ、野手では
ウィーラー内野手、ブラッシュ外野手の残留が決まり、その顔ぶれに大きな変化はない。来日1年目から大活躍を見せたのがブラッシュだった。5月には1試合2本塁打、6打点をマークし、最大8点差の大逆転につなげる勝負強さを見せた。シーズン途中からは四番に座り、33本塁打、95打点でチーム2冠を手にし、主砲の役割を全うした。また、宋、ブセニッツのセットアッパーも安定感があり、引き続きチームに貢献してくれそうだ。
千葉ロッテマリーンズ
楽天から
美馬学、ソフトバンクから
福田秀平と、球団初となるFA選手ダブル獲得に成功したが、助っ人戦略にも抜かりはない。今季、いずれもチームトップとなる32本塁打、89打点をマークしたレアード内野手とはシーズン中から交渉を進め、シーズン後に早々と2年契約を締結。途中加入ながら52試合で14本塁打とパンチ力を見せつけたマーティン外野手も1年契約での引き留めに成功した。若手の成長著しい先発陣では
ボルシンガー投手との契約延長を見送る一方で、軸が定まらなかった中継ぎ陣には元
広島でNPB通算92ホールドの
ジェイ・ジャクソン投手(前ブリュワーズ)を獲得。適格な外国人補強も、ロッテが“オフの勝ち組”と呼ばれる理由だ。
北海道日本ハムファイターズ
今オフにハンコック投手、バーベイト投手を解雇し、代わりにMLB通算10勝右腕の
ドリュー・バーヘイゲン投手(前タイガース)、さらに
巨人を自由契約となった
クリスチャン・ビヤヌエバ内野手を獲得した。現状で
マルティネス投手、ロドリゲス投手、王柏融外野手と外国人選手は5人となり、キャンプから熾烈な一軍争いが始まる。中でも奮起が待たれるのが王。引退した
田中賢介の背番号3を受け継ぎ、来日2年目のシーズンに挑む。1年目は度重なるコンディション不良と不振に終わった台湾の至宝。4年ぶりの覇権奪回に向けて「大王」がファイターズ打線の大きなキーマンになりそうだ。
写真=BBM