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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

都市対抗優勝チームの監督から学んだ仕事をする上で大切なこと

 

2019年の社会人ベストナインで今夏の都市対抗覇者・JFE東日本勢からは4人が受賞した(左から今川、内藤、須田、峯本)


 珠玉のコメントだった。

 12月11日、東京都内のホテルで行われた社会人野球表彰。2019年の主役は7月の都市対抗で初制覇を遂げたJFE東日本だった。

 ベストナインで須田幸太投手、(早大)、峯本匠二塁手(立大)、今川優馬外野手(東海大北海道)、DH部門で内藤大樹(青学大)がそれぞれ初受賞している。

 金屏風、ひな壇の横で、誇らしく自社の受賞者を見届けていたのは就任3年目の落合成紀監督(東海大)だった。

 都市対抗優勝チームは来年の予選が免除され、本大会に「推薦出場」できる。前回王者は「追われる立場」となるわけだが、落合監督は早くも「危機感」をチームに植え付けている。

「現状維持は、後退の始まり。前を向いていかないといけない」

 社会人企業チームとは、会社から指定された人数の枠内で活動している。毎年、新卒社員を採用するため、一方で引退選手(社業に専念)が出てくるシビアな競争社会だ。JFE東日本は2020年に7人の新入社員を迎え入れる予定となっているため、19年シーズン終了後、7人がユニフォームを脱いだ。

 都市対抗連覇を目指す上で、落合監督はチーム内の活性化を図りたい、と語る。振り返れば、今夏の都市対抗でも今川、峯本、平山快(東海大)、岡田耕太(駒大)と4人のルーキーを起用。もちろん、実力あっての抜てきではあったが、若き力がチームに勢いをもたらせたことは間違いない。頂点に上り詰めても、立ち止まってはいられない。チーム力を上げるため、もう一度、全員をフラットにさせて、レギュラー争いを展開していきたいという。

 野球に限らず、どんな仕事においても、常に進化を追求していかないといけない。年間単位で定期的に発行される出版物についても「前年踏襲」では、読者からすぐに飽きられてしまう。実務作業をする編集者はいつも脳を働かせ、新鮮な情報、ユーザーにとって有益な新企画を落とし込んでいく必要がある。

 落合監督の言葉から、会社員として生きていく上での「指針」を学んだ。野球とは人生そのもの、とよく言われる。純粋に白球を追いかける日々の取り組みの中には、社業にも置き換えられる教訓が詰まっている。現場取材を通じて、あらためて勉強させてもらった。

文=岡本朋祐 写真=大泉謙也
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