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リーグMVPは高卒入団、大卒入団、社会人入団のどれが最も多いのか?

 

 2019年シーズンのMVPには、セ・リーグが巨人坂本勇人、パ・リーグは西武森友哉が選ばれた。2人は高卒で入団した選手だが、同じように高卒で入団し、リーグMVPに選ばれた例は過去何度あるのだろうか。高卒入団、大卒入団、社会人入団それぞれのケースでのMVP受賞回数を調べてみた。

高卒入団選手が最多だがリーグで偏りがある


2019年のMVPに輝いた巨人・坂本勇人(左)、西武・森友哉


 MVPの表彰が始まった1950年から2019年までのリーグMVP受賞者を調べたところ、高卒入団、大卒入団、社会人入団それぞれのMVP受賞回数は以下のようになった。

高卒入団で受賞……55回(セ・リーグ25回、パ・リーグ30回)
大卒入団で受賞……32回(セ・リーグ21回、パ・リーグ11回)
社会人入団で受賞……35回(セ・リーグ14回、パ・リーグ21回)
外国人選手の受賞……18回(セ・リーグ10回、パ・リーグ8回)

 2019年に受賞した坂本や森と同じく、高卒入団選手の受賞が55回で最多となった。早実から入団した王貞治が9度も受賞して回数を稼いでいるのもあるが、そもそも高卒で入団する選手が一番多いため、受賞回数が多くなるのは当然かもしれない。

 次に多いのが社会人から入団した選手の受賞で35回。特にパ・リーグでは社会人入団選手の活躍が目立っており、3年連続で受賞した山田久志、2度受賞した松中信彦などは社会人野球出身の選手だ。大卒で入団した選手の受賞は32回。長嶋茂雄別所毅彦山本浩二といったレジェンドが複数受賞している。

 近年になって逆指名制度や自由獲得枠制度が制定され、「高卒者」と「大卒者・社会人」で選択枠を分ける、球団ごとの指名上限の撤廃などの取り組みもあって大卒者の入団が増加した。

 しかし、かつてはドラフトで高卒者の次に多く入団していたのは社会人だった。社会人から入団した選手の受賞回数が2番目に多いのは、その名残だといえる。とはいえ、現在のドラフトでは大卒者の方が社会人よりも多く入団しているため、数年で逆転する可能性はあるだろう。

2016年MVPの日本ハム大谷翔平(左)、広島新井貴浩


 ちなみに、2019年と同じく両リーグともに高卒者が選ばれるのは1950年以降で8回目。最も多いのがセ・大卒者、パ・高卒者の組み合わせで12回。最近では2016年のセ・新井貴浩、パ・大谷翔平の組み合わせがこの例に当たる。時代をさかのぼると、1961年のセ・長嶋茂雄、パ・野村克也の組み合わせも大卒者と高卒者の組み合わせ。この2人は1961年、1963年、1966年と3度も同じ年にMVPを受賞している。

 次に多いのがセ・高卒者、パ・社会人の組み合わせで9回。2000年のセ・松井秀喜、パ・松中信彦や、1990年のセ・斎藤雅樹、パ・野茂英雄もこの組み合わせになる。最もレアなのはセ・社会人、パ・外国人の組み合わせで、1991年のセ・佐々岡真司、パ・郭源治の1例しかない。また、これまでに一度も成立していないのが、「セ・大卒者、パ・外国人」と「セ・外国人、パ・大卒者」の組み合わせだ。

 過去2年は高卒入団選手同士の組み合わせになった両リーグのMVPだが、果たして2020年は3年連続となるのか。それとも過去最も多いセ・高卒者、パ・社会人の組み合わせになるのか。シーズン終了時の結果を開幕前から心待ちにしたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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