週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

SNSでの「知名度」は抜群!社会人の活性化の思いが強い“ドラフト候補”今川優馬

 

JFE東日本・今川優馬は大卒2年目のドラフト解禁イヤー。ツイッターのフォロワー数は1万5000人を超え、多くの支持を集める


 昨年12月11日。東京都内のホテルで行われた「2019年度社会人野球表彰式」で、投手部門のベストナインを受賞したJFE東日本・須田幸太は「社会人野球をもっと、盛り上げていきたい」と真剣な表情で語っていた。

 プロ野球・DeNAで8年プレーし昨年、9年ぶりの古巣復帰。都市対抗初優勝の原動力となり、MVPにあたる橋戸賞を受賞した。個人表彰では最多勝利投手賞(7勝)も受賞し、2019年は「須田の年」と言われた。

 これまでも「盛り上げたい」と語る社会人選手は、何人も見てきた。須田の本気度は違った。入社2年目・今川優馬(東海大北海道キャンパス)とともに、自らで動いたのである。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、立ち上がった。1つのボールをキャッチボール、守備、打撃などの映像をつないで、ツイッターやユーチューブチャンネルを通じて、メッセージを発信。動画のタイトルは「今、僕たちに出来ること」。1分30秒ほどで、1回につき、約10人がリレー。感染防止対策、また、この困難を乗り越えていこうと訴えた。

 4月10日にスタートし、19日まで全8回にわたり26チーム88選手が同プロジェクトに賛同。昨今、多くのアスリートが、さまざまな形で現在の「思い」を伝えているが、社会人野球の底力と絆を感じたものである。

 33歳のベテラン・須田と同様、23歳の今川も社会人野球を活性化させたいという思いが強い。トレードマークは笑顔。ツイッターのフォロワー数は1万5000人を超え、多くの支持を集める。右のスラッガーは持ち前のフルスイングで、入社1年目の昨年は社会人ベストナイン(外野手部門)を受賞。今年は大卒2年目のドラフト解禁イヤーも、公式戦中止が相次ぎ、もどかしい日々を過ごしている。そんな状況下でも明るさを見失わず、前へ進んでいく姿に、たくさんの人から共感を得て、さらには周囲に元気を与えている。

 このSNS上における今川の「知名度」が今季、観客動員にどれほど反映されるのか。まずは、新型コロナウイルスが収束し、大会が開催されることが大前提だが……。

 もう一つ、気がかりな部分がある。JFE東日本は前年優勝チームのため、都市対抗(11月22日開幕)は推薦出場。11月5日に予定されるドラフト会議後の開催である。全国各地区の予選は9月以降に開催されるため、今年の社会人ドラフト候補は、この場でNPBスカウトへ最終アピールする流れとなるはずだ。JFE東日本は予選免除のため、今川が売り込む機会は明らかに少ない。とはいえ、SNS上では規格外の飛距離と、外野守備の強肩ぶりも確認できる。かつてないシーズン延期だからこそ、スカウト陣も違った視点から情報を収集し「視察」をしてほしいものだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング