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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

今年も「2強」が中心か。大阪府高校野球大会の上位進出校を展望

 

大会をリードするのは履正社、大阪桐蔭


昨年夏の選手権大阪大会を制したのは履正社。そのまま甲子園でも全国の頂点まで駆け上がった


 7月18日に開幕する、高校野球の大阪府大会。この夏の各都道府県高野連による独自大会は、7イニング制だったり、最後までトーナメントが完遂されないなど、試合方式が簡略化されているところも少なくないが、大阪は、登録選手30人(うちベンチ入り20人)、9回を終わって同点の場合は10回からタイブレークを行う、ということにはなっているものの、かなり通常の試合方式に近い形で大会が開催される。今年は春の府大会も中止となり判断材料が少ないため、予想は難しいが、今年も7月3日に代理抽選で決まった組み合わせから、大会の上位進出校を展望してみたい。

 この夏も、大阪をリードするのは、中止になった今春センバツに出場予定であり、この夏、甲子園で交流試合に出場することになる履正社と大阪桐蔭だ。履正社は昨年夏の全国チャンピオンであり、大阪桐蔭は昨秋の大阪チャンピオンでもある。この夏の両校の組み合わせだが、大阪桐蔭は2回戦からの登場。昨秋16強の公立校・槻の木が同じブロックに入り、順当なら初戦で当たることになるが、番狂わせまでは考えにくいか。履正社も2回戦から登場し、北かわち皐が丘と初戦。こちらも比較的順当に勝ち上がれる可能性の高い組み合わせになったといえよう。

 一方、この2校を追う実力校は、大会序盤から難敵が待ち受けたり、強豪ぞろいのブロックに入るケースが目立った。昨秋大阪3位で近畿大会に出場した初芝立命館は、初戦の相手が昨秋32強の泉尾工の可能性がある。昨秋4強の金光大阪は、初戦の2回戦でいきなり関西創価と激突。そこを勝ち抜いても大産大附と大冠の対戦などから勝ち上がってきたところが相手で、気が抜けない。そのほか、初戦で強豪同士が激突するのは、大商大堺と東大阪大柏原。しかもここを勝ち上がっても、逆のパートからは大体大浪商が勝ち上がってくる可能性が高いのだから最激戦ブロックだ。

 5年前の夏に甲子園に出場した大阪偕星学園は初戦で近大泉州とぶつかる。昨秋、大商大堺と1点差のゲームを展開した高石が同じブロックに入っている。また、昨秋16強同士の信太と大阪学芸が初戦で対戦、この勝者が32強有力だろう。好投手の浅利太門を要する興國は、順当に初戦を勝ち上がった場合に強豪の大塚が待つ。第2グループの序盤のつぶし合が多いことを考えると、大阪桐蔭と履正社の2強が大会終盤で直接対決となる可能性は少なくないかもしれない。

繰り広げられる実力伯仲の戦い


 そのほか、強豪が数多く入る激戦ブロックを挙げると、名門・関大北陽が順当なら2回戦で昨秋32強の星翔とぶつかるブロックだろう。さらに3回戦の相手は大商学園、関西大倉、寝屋川の中から勝ち抜いてきたチームで、どこが勝ち上がるか予想がつかない。また、公立の実力校の枚方なぎさ、汎愛、春日丘が同じブロックに入っており、これも実力伯仲の戦いになりそうだ。関大一、追手門学院、豊中の入ったブロックもどこが勝ち上がるかの予想は難しい。

 南地区では昨秋8強の上宮の入ったブロックが注目。初戦で公立の実力校の三国丘と対戦、そこを勝ち抜いても、順当なら強打の岸和田産との対戦になる。昨秋不戦敗となり、この夏にかける上宮太子には、花園や八尾が同じブロックで立ちはだかる。2強激突の雰囲気が漂うのは、清教学園と城東工科のいるブロックか。順当にいけば2回戦で対戦する。今宮と鳳が順当なら2回戦でぶつかるブロックもこの勝者が32強有力か。三島と大阪学院大高のいるブロックも、このいずれかが32強の可能性が高いと見る。

 昨秋8強の箕面学園、昨秋16強の北野も4回戦進出有力だが、箕面学園は太成学院大高、北野は早稲田摂陵が同じブロックにおり、油断はできない。昨秋8強の桜宮も、初戦の相手が昨夏履正社に1点差と食い下がった大阪電通大高というのはちょっと嫌な相手か。

 そのほかでは、元阪神遠山昭治監督が指揮を執る浪速や、昨秋16強の大商大高、近大附、さらには岸和田、みどり清朋、懐風館、桜塚、大阪、香里丘、大阪青凌が32強有力と見る。

 残る南大阪の1つと、北大阪の2つのブロックは、有力校の力の差がわずかで、勢いに乗ったところが勝ち上がりそうだ。南大阪のほうは東住吉総合と富田林を中心とした争いか。北大阪の一つは枚方津田がやや優位と見るが、港や大手前も可能性十分。残る一つは、強いて言えば柴島を大阪市立が追う形と見るが、どこが32強に勝ち上がっても不思議ではないだろう。

 夏の甲子園につながることはない今大会だが、特に各校の3年生にとってはかけがえのない最後の夏。全国でも最激戦区の大阪の頂点を目指し、悔いのない戦いをしてもらいたいところだ。

文=藤本泰祐 写真=BBM
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