見事な集中打だった。7月23日の
中日戦(ナゴヤドーム)。1対1の同点で迎えた8回表、巨人打線が火を噴いた。この回からマウンドに上がった
福敬登に襲いかかる。先頭の
亀井善行が左前打を放つと、続く
坂本勇人が左翼への二塁打で二、三塁。
丸佳浩はストレートの四球を選び満塁となり、打席には四番の
岡本和真だ。2ボール2ストライクからの5球目、内角に投じられた144キロ直球を鋭く振り抜くと、左翼線への勝ち越し2点二塁打となった。3打席目まで2三振、1併殺打と四番の役割を果たせなかった岡本。最大のチャンスで意地を見せた。
さらに二、三塁のチャンスに五番・
大城卓三は空振り三振に倒れるも、六番・
中島宏之の三ゴロの間に1点を追加。二死三塁となり、代打のウィーラーが左翼席へ2ランをたたき込み、この回5点目。6対1として、勝利を決定付けた。
しかし、巨人打線が8回に爆発力を見せたのは意外だった。前日までの26試合で巨人のイニング別打率は以下だった。
【巨人イニング別打率】
・1回 .265(98打数26安打、2本塁打、12打点)
・2回 .307(101打数31安打、3本塁打、10打点)
・3回 .276(98打数27安打、3本塁打、12打点)
・4回 .274(106打数29安打、3本塁打、17打点)
・5回 .215(93打数20安打、5本塁打、14打点)
・6回 .260(96打数25安打、7本塁打、16打点)
・7回 .237(93打数22安打、3本塁打、16打点)
・8回 .198(91打数18安打、3本塁打、12打点)
・9回 .373(75打数28安打、4本塁打、16打点)
・10回 .000(3打数0安打、0本塁打、0打点)
延長10回を除けば8回が打率.198と一番低かったからだ。それが、この猛打。この日の打撃成績を加えると8回は98打数22安打、4本塁打、17打点となり、打率は.224までアップ。23日現在、2位・
ヤクルトに3.5ゲーム差で首位を行く巨人。死角を減らして独走態勢を固めていく。
写真=BBM