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2020惜別球人

【2020惜別球人】オリックス・山崎勝己 最後まで貫いた献身的な姿勢

 

放ち続けた存在感


11月6日の引退セレモニーで、花束を贈呈されて感極まった表情を見せた


 成績では測れぬ貢献度だった。2013年オフにソフトバンクからFA加入し、15年からは5年連続のBクラス。捕手陣も世代交代が進み、伏見寅威若月健矢らが台頭し始める中で、若手をサポート。それは練習中のみならずベンチで助言を送り、時に試合後の風呂でメンタル面や配球の話を交わすこともあった。

 ソフトバンクで3度の優勝を経験した男は、2番手捕手や二軍に甘んじても、存在感を放ったのは献身的な姿勢がゆえ。当時36歳だった18年オフに2年契約を打診されたのは、そんな姿勢が評価されたにほかならない。

 ただ、結果がすべての世界でもある。11月6日の引退会見では「オリックスで優勝できなかったのことがプロ野球生活一番の後悔」とファンに頭を下げた。その思いは次代に託す。あふれる涙を抑えつつ、会見同日の本拠地最終戦(京セラドーム)では8回に代打で登場し、9回はマスクをかぶって別れの1イニング出場。先発した19歳のドラ1左腕・宮城大弥のプロ初勝利がかかった最終回を抑え「ホッとしました」と自身最終戦のウイニングボールは若き左腕に手渡した。来季からはバッテリーコーチに。まだまだチームの力になる。

写真=BBM
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