巨人のドラフト5位ルーキー・秋広優人にとって、大きな糧となる3三振だったのではないか。
3月12日、
オリックスとのオープン戦(京セラドーム大阪)に九番・指名打者で先発出場。オリックスのエースで開幕投手に内定している
山本由伸に対し、3打席連続の空振り三振を喫した。3回の第1打席は2球で追い込まれ、143キロのフォークボールに空振り。6回の第2打席も2球で追い込まれた後、高め153キロのストレートに手を出し、8回の第3打席では再びフォークボールにバットが空を切った。
悔しそうに唇をかみ、ベンチへ引き上げた秋広だったが、チームに加わってまだ間もない時期に、日本トップクラスの投手の、一級品のボールを体感できたことは大きな財産と言える。しかも、1打席目には、初球の150キロのストレートに対し、渾身のスイング。ファウルとなったが、臆することなく向かっていく姿も見せた。
試合後、
原辰徳監督は「(秋広にとっては)見たこともないようなボールだから」と笑顔。ただ、数カ月後には打てるようになるかもしれないと期待したのは、200センチの大型新人がキャンプ、オープン戦と見せてきたポテンシャルと、対応力の高さを買っているからだろう。
高卒1年目ながらここまでオープン戦7試合中6試合で先発出場。9日のソフトバンク戦ではボテボテの内野安打ながら初適時打も記録し、ここまで4安打1打点で打率.235。開幕一軍に向け、オープン戦は残り7試合となったが、どこまで評価を高めることができるか。注目したい。
文=坂本匠 写真=BBM