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本来の力を発揮せよ! パ・リーグ6球団「奮起を促したい選手は?」

 

開幕してから約1カ月が経ったパ・リーグ。連日熱戦が繰り広げられている中で、各球団さまざまな誤算も生じている。「この選手がもっと活躍していれば……」。各球団、奮起を促したい選手を一人、ピックアップしていこう。
記録は4月23日現在

北海道日本ハムファイターズ



 不動の四番・中田翔が奮起しなければ最下位に沈むチームの浮上はない。不振を極めていた主砲が、4月17日の楽天戦(東京ドーム)で日本球界復帰初登板の田中将大から待望の1号を放つと牧田和久からも特大アーチ。復調の兆しは見えたがその後は快音が聞かれず、32歳を迎えた誕生日、22日のロッテ戦(ZOZOマリン)でスタメンを外れた。右目負傷でスタメン落ちして以来今季2度目。昨季は打率.239ながら無類の勝負強さで打点王に。もともと大舞台になるほど力を発揮するタイプ。日本中が注目した田中との対戦も「日本を代表する投手にぶつかっていくだけ。気持ちがボールに乗り移った」と中田らしい一発だった。大将の一打が、間違いなくチームの流れを変える。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・藤原恭大


 無念の二軍降格になった。高卒3年目の藤原恭大が、初の開幕一軍を手にし、九番・中堅でスタメン出場を続けていたが、開幕23試合を終えて打率.161と快音が聞かれず。4月22日に登録を抹消された。秘めるポテンシャルは高く、昨季の安田尚憲と同様に、我慢の起用で経験を積んでいくかとも思われたが、外野は21日の日本ハム戦(ZOZOマリン)で逆転サヨナラ2ランを放った岡大海や、ベテラン・角中勝也らライバルは多数。シーズン序盤で競争に敗れる形となったが、まだ始まったばかり。ファームで再アピールをして、再びスタメンへ。積極果敢な打撃が武器の20歳は、悔しさを糧にするはずだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・牧田和久


 昨季から加入し、52試合に登板して22ホールド、防御率2.16の成績を挙げたサブマリンが苦しんでいる。4月17日の日本ハム戦(東京ドーム)で6回に二番手として登板した牧田和久。しかし中田翔に本塁打を浴びるなど2安打1失点と精彩を欠き、翌18日に再調整のため登録を抹消された。これは加入2年目で初。石井一久GM兼任監督は「もう一度低くキレのある、精度の良い球を今のうちに調整してほしい」と要望した。130キロ台でも打者を差し込める真っすぐが武器で、クローザーの松井裕樹につなぐ重要な役割を持つベテラン右腕。ブルペンに欠かせぬ存在だけに、復調が待たれる。

埼玉西武ライオンズ



“まさか”の悪夢だった。4月22日のオリックス戦(京セラドーム)。3点リードの9回、マウンドに上がった増田達至は2安打と野選で二死満塁のピンチを招くとT-岡田に同点適時三塁打を打たれる。さらに続く杉本裕太郎に左前打を許して、逆転サヨナラ負けを喫した。昨年史上3人目の“無敗のセーブ王”に輝いた増田が2年ぶりの負け投手に。4月18日のソフトバンク戦(メットライフ)でも9回に同点2ランを浴びており、2試合続けての“背信投球”となった。2018、19年に連覇を果たしたころの爆発力が打線になく、リリーフの力で勝利をつかむのが西武の勝ちパターンだが、それは守護神の増田がしっかりしていなければ成り立たない。23日の楽天戦(楽天生命パーク)では同点の9回を3人でピシャリ。もう、“背信投球”は許されない。

オリックス・バファローズ


オリックス・ジョーンズ


 上向きつつある打線だが、アダム・ジョーンズの状態が上がれば、さらに破壊力を増す。来日2年目の今季は開幕4試合連続安打と、まずまずのスタートを切るも徐々に下降。好機でバットを叩きつけるシーンも目立ち、得点機をものにできず。だが4月21日の西武戦(京セラドーム)では右中間を破る適時二塁打を放つなど、一発だけではない打撃もでき、今季12安打のうち1本塁打を含む7安打を左投手から放っており、対左は打率.280と、相手ベンチが救援左腕を送り込んだ際の代打の切り札としても期待される。能力の高さは誰もが認めるところ。実力どおりの打棒を披露すれば、吉田正尚、T-岡田、杉本裕太郎、モヤら強打者ぞろいの打線は自ずと得点力が上がっていく。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・周東佑京


 懸けられた大きな期待に応えられるか。「一番・周東佑京」は今季のホークス打線の特徴の一つだ。昨季は相手先発が左腕となると左キラー・川島慶三が起用されていたが、今季は“変わらず周東”のケースも増えている。だが、肝心の周東の調子がいまだ低空飛行。ここまで打率.205もさることながら出塁率.239では、自慢の俊足も生かせるわけがない。それでも、首脳陣はあきらめない。工藤公康監督は22日の練習で、「肝になるところ。(小久保裕紀)ヘッドも『一番・周東』の思いが強い。我慢することは痛みではなく、必要なこと」と、あらためてスタメン継続に言及した。練習中は、小久保ヘッドコーチをはじめ、立花義家平石洋介両打撃コーチも付きっ切りで助言を送る。あとは、周東がこの現状をどう打破するか、だけだ。

写真=BBM
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