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東海大相模が県大会決勝へ。監督不在の危機も快勝の理由は“3つのキーワード”にある

 

東海大相模高は日大藤沢高との神奈川県大会準決勝[5月3日]を14対5で勝利。東海大相模高は門馬敬治監督がアクシデントによるベンチ外で、遠藤愛義監督代行[写真]が指揮を執った


プレッシャーを感じる余裕もなく


 試合前のオーダー表を見て目を疑った。東海大相模高の監督欄に、門馬敬治監督の名前がなかったのである。前日の練習中、ノックの送球が首の下に当たり、入院したというのだ。

 日大藤沢高との神奈川県大会準決勝(5月3日)は、遠藤愛義コーチが「監督代行」としてベンチで指揮を執った。試合は14対5で快勝。決勝進出と関東大会出場を決めている。

「緊張は僕自身がしましたが、選手を信じてやっていこう、と。公式戦初さい配? 必死でした。プレッシャーを感じる余裕もありませんでした」

 監督不在の影響をまったく感じさせなかったのは、なぜか。キーワードが3つある。

 遠藤監督代行が1試合を通じて言い続けたのは「自分を信じろ!」だった。

「相模の野球とかではなくて、今までやってきたことを出すだけです」

 今春のセンバツで10年ぶり3度目の優勝へ導いた門馬監督は常日頃から「いつもどおり」を強調。甲子園ではあっても、自校グラウンドと変わらない心技体でプレーを貫く。日大藤沢高との準決勝は攻守にスキのないスタイルを展開していた。

 そして、遠藤監督代行は勝因として「粘って、粘って、変わらずやれたこと」と語った。

「センバツでは(主将の)大塚(大塚瑠晏、3年)が急性胃腸炎で離脱(準々決勝以降ベンチ入りできず)し、次は監督がチームを離れた。難しかったのは(指導者の)私たちであって、選手のほうは肝が据わっていました」

 この日のオーダーは遠藤監督代行が決め、選手層の厚さを印象づけた。センバツではベンチ入りできなかった五番・中堅の仙庭涼一郎(3年)が本塁打を放てば、先発の右腕・大森幹大(3年)は6回途中4失点と試合を作った。29回1/3無失点でセンバツ優勝の原動力となったエース左腕・石田隼都(3年)が登板しない中でも勝ち上がり「次につながる」と、遠藤監督代行も収穫を上げている。

 門馬監督の明日の決勝のベンチ入りについて、遠藤監督代行は「今日の状態次第」と話した。東海大相模高は2019年春の県大会から同夏、同秋、20年夏(独自大会)、同秋と県大会5連覇中。センバツ優勝にも満足することなく日々、レベルアップを誓っており、アクシデントを乗り越えたこの日の1勝で、ステージがまた一つ上がった気がする。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎

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