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北村拓己がブレークの予感! 巨人・原監督から熱い期待を寄せられる「若手の成長株」

 

キャンプで指揮官から熱血指導


正二塁手の座をうかがっている北村


 巨人北村拓己が下位打線の核になっている。6月19日の阪神戦(甲子園)から10試合連続でスタメン出場。地元・金沢に凱旋した22日のDeNA戦では3回に左前打で出塁し、丸佳浩の逆転3ランを呼び込むと、4回一死一、二塁で中川虎大の内角直球を豪快に振り抜き、ライナーで左翼席に飛び込む1号3ラン。試合後のお立ち台で、「本当にこの球場は思い出深い球場なので、またこうしてジャイアンツのユニフォームを着てここに帰ってこられたっていうのは本当に思い出深いというか、感慨深いものです」と笑みを浮かべた。26日のヤクルト戦(神宮)でも3回一死一、二塁で小川泰弘のフォークを左翼席に運ぶ3ランを放つなどプロ初の猛打賞。首脳陣の信頼をさらに高めた。

 アマチュア時代から野球センスは一目置かれていた。星稜高から亜大に進学すると、1年秋からリーグ戦に出場し、3年秋は三塁手、4年秋は遊撃手でベストナインに選出された。東都リーグ通算53試合出場で打率.319、2本塁打、35打点を記録。2018年にドラフト4位で巨人に入団すると、順調に階段を上っていった。プロ2年目の19年にイースタンで打率.290、8本塁打、66打点を挙げ、最高出塁率(.414)のタイトルを獲得。昨年は8月4日の阪神戦(甲子園)でガルシアからバックスクリーンにプロ初アーチを放つなど57試合出場で打率.227、2本塁打、10打点と爪痕を残した。

6月22日のDeNA戦、地元・金沢で今季1号アーチを放った


 北村は昨年8月に週刊ベースボールのインタビューで「3年目のシーズンを迎えて、今年ダメだったらプロ野球人生終わりかなと、正直、そういう覚悟の中で始まったシーズンでした。代打からのスタートで、良い結果を残すことができて、その後はスタメンでも起用してもらい、『もっと頑張れるな』というのが率直な思いとしてあります。ただ、手応えということに関しては、余裕のある選手ではないので……。とにかく与えられた場面、与えられた状況でしっかり仕事をする、ということを今は強く考えています」と危機感を口にしていた。

 勝負の大卒4年目。春季キャンプの打撃練習では連日のように原辰徳監督からマンツーマンで熱血指導を受ける光景が見られた。2月17日の練習試合・広島戦(那覇)では一度もバットを振らず3球三振し、原監督から「技術以前の問題だよね」とバッサリ切り捨てられたが、途中出場した翌18日の中日戦(同)で名誉挽回の左越えソロ。試合前の打撃練習でトスを上げて指導してくれた指揮官に「恩返しの一発」でアピールした。

ライバルを蹴散らして


 北村がレギュラー獲得を狙う二塁は激戦区だ。内外野をこなす若林晃弘、俊足に定評がある増田大輝。さらに、左手中指末節骨骨折および左手中指爪根脱臼で6月上旬に戦線離脱した吉川尚輝も復帰すれば強力なライバルになる。熾烈な競争に身を置く中、ミスが命取りになる。北村は29日の広島戦(東京ドーム)で同点の2回無死一塁で一塁へ悪送球。この失策がらみで1点を勝ち越されると、なお二死二、三塁のピンチで西川龍馬のボテボテのゴロが手につかず2点目を許した。この回が終わると、若林に途中交代。ベンチで悔しさをにじませた表情を浮かべていた。

 つなぎ役をこなし、長打も打てる北村が機能すれば得点力が格段に上がる。逆転優勝のキーマンになりそうだ。

写真=BBM
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