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高校野球リポート

センバツ王者・東海大相模が出場辞退。日本高野連の「危機感」の表れ

 

文書配布であらためて注意喚起


甲子園を目指す夏。新型コロナウイルスの感染拡大は予断を許さない状況が続いている。各地方大会では野球部員の感染を受けて、出場辞退が相次いでいる


 大会主催者の「危機感」の表れだった。7月24日、日本高野連は都道府県高野連宛へ「新型コロナウイルス感染防止対策の徹底について(お願い)」という文書を送付した。

 同日朝、衝撃が走った。今春のセンバツ王者・東海大相模(神奈川)に登録選手17人の新型コロナウイルスの陽性が確認され、準々決勝(対藤沢翔)を出場辞退。不戦敗となり、思いもよらぬ形で、史上9度目の春夏連覇の夢が消滅した。東海大相模に限らず福井商、中越(新潟)、星稜(石川)など、全国各地で新型コロナウイルス感染拡大の影響により、地方大会の出場辞退を余儀なくされた学校が増えている。そこで、日本高野連は各地区の新型コロナウイルス感染防止対策ガイドラインの徹底を、あらためて注意喚起したのだ。

 日本高野連・八田英二会長からの発信。同連盟は7月21日、全国選手権大会を8月9日から開催することを発表(一般観衆の入場はなし)している。その矢先で、大会主催者側は相当な神経を使っていることが感じ取れる。

 各地方大会は7月24日時点で9大会(岩手、秋田、山形、宮城、長野、山梨、千葉、福井、沖縄)で代表校が決定しており、他の地区も大会は終盤に入っている。文書の中では、出場辞退校を思いやる文言も含まれている。

「当然ながら、出場校が、それぞれに十分な感染対策を講じていた中での感染発生であり、主催者としては日程変更など最大限考慮した中で、最終的に学校長が大会出場を辞退された判断は、野球に打ち込んできた部員達をはじめ、日々温かい声援と献身的なサポートでチームを支え続けてこられた保護者の方々や学校関係者の皆様にとっても、現実を受け止めることは、大変厳しいものではあると思います」(原文のまま)

 うがい、手洗い、消毒……。常日ごろから細心の注意を払っても、感染する可能性があるのが、新型コロナウイルスの怖さ。とにかく、日々の感染予防対策を徹底するほかない。全国の高校球児はこの夏、甲子園出場のため、情熱を傾けてきた。このような形で、努力の成果を発揮する舞台が奪われるのは、無念でならない。全部員が全力を出し切り、完全燃焼の夏を過ごすことを祈るばかりだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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