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順調なら長嶋茂雄超えも? 阪神・佐藤輝明は“新人二塁打記録”を更新できるか

 

二塁打を放った阪神佐藤輝明


 阪神・佐藤輝明は、前半戦だけで新人最多に並ぶ121三振を記録。後半戦で新人最多に躍り出るのは間違いないだろう。佐藤輝は三振以外にも更新が期待される新人記録がある。例えば「シーズン二塁打」も塗り替える可能性が高い記録だ。今回は、佐藤が更新するかもしれない「新人のシーズン二塁打記録」について紹介する。

シーズン二塁打の新人記録は長嶋が記録


新人時代の巨人長嶋茂雄


 1950年の2リーグ制以降、1年目の新人が記録した「シーズン二塁打数」を調べたところ、歴代10傑は以下のようになった。

第1位 34本 長嶋茂雄(巨人/1958年)
第2位 32本 高橋由伸(巨人/1998年)
第3位 29本 石黒和弘(東京/1964年)
第4位 28本 佐々木信也(高橋/1956年)
第5位 26本 坪井智哉(阪神/1998年)
第6位 25本 河内卓司(毎日/1950年)
第6位 25本 斎藤宏(東急/1950年)
第6位 25本 福留孝介(中日/1999年)
第9位 24本 榎本喜八(毎日/1955年)
第9位 24本 長野久義(巨人/2010年)

 歴代最多は、長嶋茂雄が大卒1年目の1958年に樹立した34本。この年はいきなり本塁打王と打点王の二冠王になり、二塁打の数もリーグトップという怪物のような数字を残した。長嶋に次ぐのが高橋由伸で32本。ルーキーイヤーの1998年は第2次長嶋政権時代で、高橋の「ウルフ」というニックネームも長嶋監督が付けたものだ。

 3位は石黒和弘、4位は佐々木信也が入っている。佐々木の28二塁打はパ・リーグ記録だったが、1964年に石黒が29本で更新。この数字は現在も破られていない。5位は1年目ながら首位打者のタイトルを争った坪井智哉。6位には現役最年長の福留のほか、河内卓司、斎藤宏という2リーグ制開始年に活躍した2人が入っている。

 最近の記録では、2010年の長野が挙げられる。この年は打てずに打順降格となることも多かったが、それでも規定打席に到達し、打率.288、19本塁打を記録。新人王にも輝いた。二塁打は24本で、新人記録で見るとあの天才打者・榎本喜八に並ぶ数字である。

佐藤は前半と同じペースなら長嶋超え


 今季注目を集める阪神の佐藤輝は、前半戦を終えた時点で二塁打は21本。すでに石毛宏典谷佳知、現役ではオリックス中川圭太が残した数字に並んでおり、よほどのスランプに陥るか、離脱がない限りは歴代10傑入りする可能性が高い。また、前半では4試合に1本(84試合/21本)のペースで二塁打が出ており、今季は残り59試合。もし同じペースであれば、少なくとも14本の二塁打が生まれることになり、トータル35本。なんと長嶋を超えて歴代1位に躍り出る。

 もちろん、後半戦はマークがさらにきつくなり、暑い時期で体力の問題も出てくる。前半と同じように活躍できず、もしかすると二塁打が30本に届かない可能性も当然あるだろう。しかし、もし更新となれば63年ぶりの新人記録更新だ。

 オリンピック期間中のエキシビションマッチでは、本来のバッティングができずに苦しんだ佐藤輝。果たして1年目新人の「シーズン二塁打記録」の更新となるか、後半戦のバッティングに注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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