リズミカルな踊り
横浜高の応援団にチアリーダーが初登場。同校は昨年4月に男女共学化している
甲子園で「伝統」がつながれた。
8月11日、横浜高は夏の甲子園1回戦で
広島新庄高と対戦。同校応援団は三塁内野席と三塁アルプス席に分かれて、応援活動を展開した。
組織的な応援は2019年秋の神奈川県大会以来である。新型コロナ禍で20年春の県大会、同夏の県大会は中止。代替で開催された県高野連主催の独自大会、秋の県大会は無観客。今春と夏は有観客(一般観入場者は大会中盤から観戦可)だったが、感染予防対策の観点から応援団による活動は許可されなかった。
3年ぶりの甲子園出場。ついに、その機会がやってきた。同校は2020年4月に男女共学化。この日の三塁内野席には約20人のチアリーダーが躍動した。高校野球ファンにはお馴染みのテーマ曲である「ファンファーレ」「第一応援歌」「第五応援歌」「横高アトム」などに合わせて、リズミカルに踊っていた。
応援リーダーは約10人。内野席とアルプス席は通路を挟んでいる。サインで連携を取って、曲をつないでいた。新たに加わったとみられる女子リーダー部員も懸命に応援の「型」つくり、キレッキレで動いていた。
吹奏楽部は約40人。このうち4分の3が女子部員だった。男子部員のみの時代は、豪快な音色が印象的だったが、女子部員が加わったことで柔らかな曲調になった気がした。
ほとんどの部員が今回、初めての球場応援だったに違いない。大舞台でも、学校関係者を統率。この日に備えて、相当の努力を積み重ねてきたことだろう。広島新庄との1回戦は0対2の9回裏二死一、三塁から一番・
緒方漣(1年)の左越えに逆転サヨナラ3ランで勝利(3対2)。応援団による全力のエールがグラウンドに届いた。
男女共学化した昨年4月に就任した村田浩明監督は「新生・横浜」を掲げており、これ以上ない白星発進となった。応援団も2回戦で再び、大舞台に立つ機会に恵まれた。横高応援団。古き良き伝統を残しながらも、2021年夏の甲子園で新たな歴史を刻んでいく。
文=岡本朋祐 写真=高原由佳