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2021夏の甲子園

近江ナインが熱烈応援に感謝。心の中で叫んだ『Fire Ball』【2021夏の甲子園】

 

3年ぶりの夏勝利


近江は日大東北との1回戦(8月20日)を8対2で突破。5回裏の途中、降雨コールドとなった前日からの仕切り直しの一戦を制している


■8月20日 1回戦
近江8−2日大東北

 8月19日、日大東北(福島)との1回戦。1対0でリードした5回裏、近江(滋賀)の攻撃中に雨が激しくなり中断した。グラウンド状態と天候回復が見込めず、2時間22分後にノーゲームとなった。翌20日、難しいと言われる仕切り直しの一戦だったが、近江は8対2で快勝した。8強へ進出した2018年以来、3年ぶりの夏勝利である。

「今日の主役はどこですか? 近江高校! チャンスをつかむのはどこですか? 近江高校! 勝負に勝つのはどこですか? 近江高校! 優勝するのはどこですか? 近江高校!」

 今大会、甲子園のスタンドは学校関係者のみの入場。応援は拍手のみで、声を出してはいけない。上記のかけ声は、心の中で叫んだものだ。

 好機の場面で一塁アルプスから流れた、近江のチャンステーマ『Fire Ball』である。2018年春、18年夏、19年夏に続いて、甲子園デビューから4回目だが、すでに「全国区」の知名度を誇る。

 2年前の夏、同校の吹奏楽部顧問は誕生秘話についてこう語っていた。18年春のセンバツ開幕前に作詞作曲したという。

「大阪桐蔭さんは流行曲、龍谷大平安さんはオリジナルと各校さんが工夫されている中で、洋楽を使っているケースが少ないと思ったんです。楽譜出版社さんの動画サイトを相当見て、曲を選択しました。他校さんとは違う路線で、オリジナリティーを出していきたいと思いました」

 リズミカルな曲を経ての掛け声は、野球部員が考案したという。約1週間で完成。甲子園で盛り上がると即、チャンステーマに昇格したのである。近江は日大東北との1回戦は打線が活発。「Fire Ball」にも後押しされ、得点を重ねていった。近江ナインから試合後、熱烈応援に関して、感謝の言葉も聞かれた。

 近江と言えば、この応援曲。吹奏楽部も取材される機会が増え、部活動においても「日々見られる」と、より自覚ある行動を意識。甲子園出場を通じて、相乗効果が生まれているという。

 今夏、無観客試合だが、野球部とブラバンは一体。感染予防対策を徹底した応援活動が続く。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎
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