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異例の“捕手4人体制”木下拓哉、A.マルティネス、大野奨太…「中日の正捕手」にふさわしいのは?

 

 前半戦終了時点で32勝42敗12分と苦しい戦いが続いた中日は後半戦に入り、捕手の起用法が変化した。前半戦は木下拓哉が正捕手で出場していたが、後半戦は14試合を終えた時点で7試合のスタメン出場にとどまっている。代わりにA.マルティネスが4試合、大野奨太が3試合と先発でマスクをかぶる機会を増やし、桂依央利も控えている。異例の「一軍捕手4人体制」で巻き返しを狙う中、正捕手の座をつかむのは誰だろうか。
※成績は8月29日現在

正捕手に一番近い存在


中日・木下拓哉


・木下拓哉
今季成績85試合出場、打率.263、7本塁打、27打点、1盗塁
通算成績288試合出場、打率.248、17本塁打、75打点、1盗塁

 社会人野球・トヨタ自動車から入団し、5年目の昨季は自己最多の88試合に出場。自身初の規定打席に到達し、打率.267、6本塁打、32打点といずれも自己最高の成績をマークした。キャッチング能力と強肩に定評があり、両リーグトップの盗塁阻止率.455を記録。大野雄大とともに最優秀バッテリー賞にも輝いた。今季はパンチ力のある打撃でビシエドに次ぐチーム2番目の7本塁打をマークしている。後半戦で出場機会を減らしているが、正捕手に一番近い存在であることは間違いない。攻守で首脳陣の信頼を取り戻したい。

チーム屈指の打撃力


中日・A.マルティネス


・A.マルティネス
今季成績16試合出場、打率.308、1本塁打、4打点、0盗塁
通算成績54試合出場、打率.299、3本塁打、17打点、0盗塁

 打力はチーム屈指だ。長距離砲としての資質を秘めている一方で、変化球への対応能力が高くヒットゾーンに飛ばす。育成契約で入団し、昨年7月1日に支配下登録されると、39試合出場で打率.295、2本塁打をマーク。打力を買われて一塁で起用されることもあった。正捕手獲得に向けて課題は守備力だ。肩は決して弱くないがスローイングに難があり、盗塁阻止率が低い。リードは成長の跡が見られ、ブロッキング能力も高いことから今後の成長が期待される。

豊富な経験に基づくインサイドワーク


中日・大野奨太


・大野奨太
今季成績5試合出場、打率.100、0本塁打、0打点、0盗塁
通算成績896試合出場、打率.213、31本塁打、168打点、3盗塁

 日本ハムでは規定打席に到達したシーズンはないが、常時一軍でレギュラー格としてマスクをかぶっていた。17年オフに中日へFA移籍。正捕手として期待されたが、手術した右ヒジの状態が思わしくなく18年は63試合出場、19年は34試合の出場に終わり、昨季は一軍出場なし。今季も前半戦は出場機会がなく、ファーム暮らしが続いていたが後半戦でチャンスが舞い込んできた。豊富な経験に基づく強気のインサイドワークで打者を手玉に取る。再び輝きを取り戻したい。

幾多の試練を経験


中日・桂依央利


・桂依央利
今季成績21試合出場、打率.308、1本塁打、3打点、0盗塁
通算成績133試合出場、打率.217、6本塁打、23打点、1盗塁

 幾多の試練を経験しただけに、一軍で努力を結実させたい。強肩に定評があったが、イップスに悩まされて投手まで返球がままならない時期があった。本来の姿を取り戻して2016年に自己最多の59試合に出場。さらなる飛躍が期待されたが、同年オフに左ヒザの半月板縫合手術を受け、17、18年は一軍出場なしに終わる。昨年は6月下旬の練習中に負傷し、左有鉤骨鉤骨片摘出手術を受けた影響で2試合出場のみ。今季は6月6日のオリックス戦(バンテリン)でプロ初の猛打賞をマークするなど打撃での貢献度が光る。

写真=BBM
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