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【MLB】混戦のア・リーグ新人王

 

昨季新人でア・リーグ優勝決定シリーズMVPを獲得したアロザレーナは、今季新人王資格を持つ。20本塁打で強豪レイズの中心選手。その彼が新人王を獲得できるのか⁉ 多くの新人が活躍したシーズンだけに楽しみだ


 MLBの新人王投票では30人の記者が1位から3位まで3人を選ぶ。だが今季のア・リーグは有力候補が目白押しで極めて困難だ。例えばオリオールズのライアン・マウントキャッスル一塁手は9月29日までに32本塁打86打点、カル・リプケン・ジュニアの球団新人本塁打記録を抜いた。

 レイズの100マイル左腕シェーン・マクラナハンは10勝6敗、防御率3.43 の好成績でポストシーズンの活躍も期待される。レッドソックスのリリーフ陣で8勝4敗、防御率1.99のギャレット・ウィットロック、インディアンズのクローザーで24セーブ、防御率1.33のエマニュエル・クレースも良い。

 だが筆者の中では彼らはトップ3に入らない。それ以上の選手が4人いると思うからだ。そして考えるおとは、新人王は新人資格を持つ選手の中でベストの結果を残した選手がもらうべきなのか、あるいは将来も見据え、今後も活躍しそうな輝きを見せる若手にすべきなのかである。

 2010年ジャイアンツのバスター・ポージーはメジャーで108試合しかプレーしなかったが、62.5パーセントの一位票を得て新人王となった。142試合のジェイソン・ヘイワードの方がWARなど積み上げた数字は大きかったが、一位票は28パーセントと少なかった。

 今季レイズの20歳ワンダー・フランコは6月にコールアップされ、最初の27試合は苦戦し、打率.220、OPSは.632だが、7月30日以降は.331、.957と飛躍的に数字を伸ばし、今では三番を打っている。

 9月になって太もも裏を痛め負傷者リストに入ったが41試合連続出塁など、スィッチヒッターの遊撃手として存在感を高めている。目を引くのは66試合でWARが3.4となったこと。普通のレギュラー並みに140試合くらいに出ていたら、「7」に近づいた可能性もあるわけで、そうなるとスーパースター級である。

 彼のライバルは3人。レイズのチームメート、ランディ・アロザレーナ外野手は昨年、ポストシーズン20試合で10本塁打と打ちまくり、ア・リーグ優勝決定シリーズではMVPに選ばれた。今季も打率.274、OPS.815、20本塁打だ。

 とはいえ前年にリーグ決定シリーズでMVPに選ばれた選手が新人王というのは過去に例がない。新人資格はあるが、新人と見なして良いのかという違和感がある。レンジャーズのアドリス・ガルシア中堅手は元巨人の28歳。今季30本塁打、80打点で、ア・リーグの新人選手で唯一オールスターにも選ばれた。打つ方は後半になって失速したが、守備は抜群でゴールドグラブ候補だ。

 アストロズのルイス・ガルシア投手は大谷翔平と何度も対戦し、2本の本塁打を打たれたが4奪三振。ワインドアップのときにダンスフロアで踊るような独特のステップを踏む。ここまで11勝8敗、防御率3.30。世界一奪還を目指すチームで先発ローテーションの中核を担う。

 この3 人に甲乙を付けるのもとても難しいが、その上で将来性は一番だが試合数が少ないフランコがいる。MVPやサイ・ヤング賞ならシーズン中ベストの結果を残した選手にすればいいが、新人王はちょっとニュアンスが違う。悩むのである。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images

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