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背番号物語

【背番号物語】ロッテ「#4」仮のフランコと正式なフランコ? 落合と二塁を守った名脇役も

 

珍しく日本人の選手が多い「4」


2004年から3年間、ロッテで「4」を背負ったフランコ


 日本語で「死」と音が通じることで忌み数とされ、逆にメジャーでは世界で初めてヤンキースのルー・ゲーリッグが永久欠番としたこともあって外国人の選手が多い「4」だが、こうした傾向に当初から一線を画していたのがロッテだ。この2021年も内野手の藤岡裕大が背負う。

 ロッテは、現在の2リーグ制となった1950年に参加して1年目のパ・リーグを制し、そのまま日本一に輝いた毎日が起源。この栄光の1年目は欠番だったが、2年目の51年に初代となった右腕の相沢進はパラオ島の出身で、日本とミクロネシアのハーフという異色の選手だった。53年に相沢は「37」となり、早大から入団した外野手の沼沢康一郎が2代目に。選手としては7年の現役生活ながら、74年にヤクルト荒川博監督、広岡達朗コーチ、小森光生コーチらとの“早大カルテット”など指導者としても名を残す。

 一方、チームは58年に大映と合併、大毎として初めてリーグ優勝を飾った60年に「4」となったのが入団3年目、一番打者として“ミサイル打線”を引っ張った柳田利夫で、「56」からの変更だったが、3年で巨人へ。チームが東京となった翌63年に継承した2年目の篠原良昭は「41」からの変更で、内野のユーティリティーとして活躍。わずかの差ながら、この篠原が着けた期間で歴代トップだ。

 この間、69年にチームはロッテとなり、翌70年にはロッテとして初のリーグ優勝に輝くも、この70年シーズン途中に篠原はヤクルトへ。そのまま翌71年まで欠番。続く72年に6年目で外野手の岩崎忠義が「32」から変更してくるも、その翌73年に「35」とななり、そのままチーム2度目、ロッテとしては初の日本一に貢献している。

 この74年の日本シリーズでは「4」の後継者となった江島巧も活躍。このとき激突した中日からロッテへ移籍してきて2年目となる外野手で、その中日を破っての日本一だった。79年に江島は「9」となり、大洋(現在のDeNA)で左キラーの代打として鳴らした矢野俊一が「4」を継承も2年で引退。81年に「49」から変更してきたのがプロ11年目、ヤクルトから移籍してきて4年目の井上洋一で、内野も外野もこなした名バイプレーヤーだった。

 この81年には自己最多の122試合に出場。ブレークしたばかりの落合博満とともに二塁を守るなどチームを支え、奇しくも落合が中日へ移籍する86年オフに、ロッテで20年の現役生活を終えた。このとき中日から来て「4」を背負った田野倉利行も内野の名脇役だったが、またも2年で引退。89年に後継者となったのが外国人の第1号となるディアズだ。

歴代トップに迫った荻野


ランボーの異名もとったロッテ・ディアズ


 当初は一塁と外野を守っていたディアズだが、90年からは捕手としても出場。チームは92年に本拠地を川崎から現在の千葉へ移転、名称も千葉ロッテマリーンズとなり、風の強い新たな本拠地でゴーグルをつけた第1号でもある。ただ、この92年シーズン途中にディアズは退団。代わって入団したモトリーが「4」も継承してから、他のチームと同様、助っ人が目立つようになる。モトリーが「00」に転じた93年には捕手の青柳進が「59」から変更してくるも2年でヤクルトへ。95年のキャンプで仮の「4」を着けたフリオ・フランコについては「0」を紹介した際に詳しい。

 時は流れて、千葉で初の日本一となった2005年に正式な(?)「4」だったのが同姓のマット・フランコだ。1995年にフリオから継承した形となった丹波健二、97年に丹波から継承した酒井忠晴は、ともに「12」から変更してきた内野手で、丹波は2年で引退したが、酒井は2002年まで着けて中日へ復帰している。だが、翌03年には横浜(現在のDeNA)で1998年の日本一に貢献したローズが着けるも別人のように精彩を欠き、マットの3年を挟んで日本でも歴戦のオーティズが2年。1年の欠番を経て2010年に1年目から「4」を背負い、“史上最大の下剋上”といわれる日本一に貢献したのが、現在は「0」で活躍している外野手の荻野貴司だ。荻野は篠原に迫る7年間を「4」で過ごし、1年の欠番を経て、荻野と同じく1年目から「4」を背負うのが現役の藤岡だ。

【ロッテ】主な背番号4の選手
篠原良昭(1963〜70)
ディアズ(1989〜92)
マット・フランコ(2004〜06)
荻野貴司(2010〜16)
藤岡裕大(2018〜)

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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