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来季に向けて弱点補強は進んでいるか…セ・リーグ6球団「補強最新事情」は?

 

ヤクルトの日本一で幕を閉じた2021年のプロ野球。選手たちはつかの間のオフに入っているが、来季へ向けての“戦い”はすでに始まっている。ドラフト、FA、新外国人、トレードなどで目論む戦力アップ。セ・リーグ6球団は現時点でどのようにチームの弱点を補っているのだろうか。

読売ジャイアンツ


残留が決まった菅野


 大幅に人員を整理し、支配下枠を一時50人まで削減した。ここにドラフトで指名した支配下新人7人を加えた57人が現在の戦力だ。来季に向けた補強のメーンとなるのは投手1人、野手2人程度の新助っ人の獲得と、一時育成契約に切り替えた故障者などの再昇格、そしてトレードか。海外FA権を行使せずに菅野智之が残留したこと、そもそもFA市場に選手が少ないこともあって、例年に比較して静かなストーブリーグとなるが、日本ハムをノーテンダーFAとなった西川遥輝への獲得調査は行っている模様で、12月8日に行われる合同トライアウト後の交渉解禁を待ち、接触する可能性が高まっている。

東京ヤクルトスワローズ


オスナ[写真]、サンタナはチーム残留の方向だ


 日本一に輝いたこともあり、現時点で大きな補強に関する情報はない。ただ、今季活躍したホセ・オスナとドミンゴ・サンタナの両助っ人とは契約を更新する見込みだ。だが、投手のアルバート・スアレスは退団予定。ここには新たに助っ人投手を獲得する可能性が高い。正捕手の中村悠平もFA宣言しないことを決断。大き過ぎる戦力流出は免れた。日本一となった戦力を維持したまま、来季を迎えることができる。既存の選手たちはオフ期間中のレベルアップを誓っており、現有戦力を底上げして、連覇を狙っていく。

阪神タイガース


新たに阪神と契約したウィルカーソン[写真=Getty Images]


 来シーズンに向けて阪神の最大の“補強”は、FA権を行使せず残留を表明した正捕手の梅野隆太郎だろう。17年ぶりの優勝に向けて絶対的に必要な戦力だ。終盤起用された坂本誠志郎とともに投手陣をけん引していく。その一方でクローザーのロベルト・スアレスの退団は大きな痛手だ。今季、42セーブを挙げて2年連続セーブ王に輝いた右腕の後釜をどうするかは懸念されるところだろう。先日、ドジャース3Aのアーロン・ウィルカーソンとの契約がまとまったが、最速は150キロ台前半。スアレスの後釜タイプではなく先発タイプで、制球力は悪くない。日本のボールにフィットできれば力を発揮してくれそうだ。

広島東洋カープ


ドラフト1位の関学大・黒原拓未


 投手陣では、ドラフト1位で黒原拓未(関学大)、2位で森翔平(三菱重工West)と、即戦力左腕を指名。2021年に先発に入っていた床田寛樹玉村昇悟高橋昂也と合わせて先発左腕候補が多くなり、22年のローテーション左腕をめぐる争いは一気にハイレベルなものになる。新外国人の右腕、ドリュー・アンダーソン(レンジャーズ)は先発、左腕のニック・ターリー(ホワイトソックス3A)はセットアップで期待。打線では長距離砲のライアン・マクブルーム(ロイヤルズ)を獲得。一塁手が本職で外野も守れるとの触れ込みで、これを受け坂倉将吾が三塁手の練習も。この新外国人の守備力と鈴木誠也の動向次第で、一塁手、三塁手、右翼手のレギュラーが決まってきそうだ。

中日ドラゴンズ


ドラフト2位の駒大・鵜飼航丞


 チームの補強ポイントはあらためて説明するまでもない。得点力不足に悩む打線だ。しかも俊足巧打の野手ではなく、一発が期待できる長距離砲。できれば外野手。そこで今季のドラフトでは6人中3人ものスラッガーを獲得。しかも即戦力として期待できる大学生、1位のブライト健太(上武大)、2位の鵜飼航丞(駒大)、6位の福元悠真(大商大)の3人で、いずれも右打ちの外野手だ。さらにメジャー通算5本塁打、マイナー通算80発の左投左打の外野手、ソクラテス・ブリトー(ヤンキース・マイナー)を調査中。また投手になるが、FA宣言した又吉克樹の退団にも備え、育成ながらロッテを戦力外となった大嶺祐太の獲得調査に乗り出している。とにもかくにも大砲の獲得、そして又吉の残留が最大の補強か。

横浜DeNAベイスターズ


FA宣言をした中日・又吉


 リーグワーストの防御率4.15をどう改善するかが、今オフの補強ポイントとなる。昨季はリリーフ陣が安定せずに、終盤に試合をひっくり返される展開にファンはため息を漏らした。来季に向けては、メジャーのヤンキースなどに在籍したブルックス・クリスキーを調査している模様。191センチの長身右腕で、奪三振率も高いことからリリーフ候補に挙げられている。またFA権を行使した中日のリリーバー、又吉克樹には交渉解禁と同時にアタックをかけると見られる。先発はケガ人が戻り、新人の徳山壮磨三浦銀二がローテ争いに加われば頭数はそろう。ブルペンの整備が最優先課題だ。

写真=BBM
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