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廣岡大志、宇草孔基、石川昂弥…セ・リーグ6球団 来季の「覚醒」が期待される野手は?

 

今季は高卒5年目の広島坂倉将吾、同3年目の広島・小園海斗林晃汰、同2年目のオリックス紅林弘太郎、さらにプロ5年間で通算9本塁打だったオリックス・杉本裕太郎が31本塁打を放ちタイトルを奪取と能力が開花した野手が目立った。果たして、来季彼らのような“覚醒”が期待される野手は誰か? セ・リーグ6球団の飛躍が期待される野手をピックアップした。

読売ジャイアンツ



 200cmの秋広優人への期待も大きいが、高卒2年目となる来季は一軍を複数試合経験し、そのポテンシャルの一端を見せてくれるだけでも十分。現実的に考えると、今季開幕前にヤクルトから移籍加入した廣岡大志だろう。先発に、中継ぎにと重宝された田口麗斗を交換要員としてまで獲得した右の長距離砲。ショートを守れる内野手で坂本勇人離脱時などに10試合(※セカンドでは11試合)に先発出場した。ただ、最大の魅力は打撃面。今季は攻略の難しい中日大野雄大DeNA今永昇太からそれぞれ2本ずつ本塁打(シーズン計5本)を放っている。今オフはヤクルトの内川聖一と合同自主トレを行う予定で、「バットに当てる技術を聞いてみたい」と話しており、成長と覚醒に期待。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・濱田太貴


 濱田太貴には、右のスラッガーとしてレギュラー争いに割って入ってもらいたい。2021年、春のオープン戦では、不動の四番・村上宗隆と並ぶ4本塁打、11打点を記録した。新型コロナの影響で助っ人の来日が遅れることが予想されており、開幕から外野の一角として打棒を発揮することを期待された。しかし、上半身のコンディション不良で、開幕を前に登録抹消。1年間、一軍出場なしに終わった。ファームでは13試合に出場したが、一度も守備には就いていない。状態さえ万全であれば、持ち味のパンチ力を生かした打撃が期待できるスラッガーだ。村上とクリーンアップを形成することを夢見ている21歳。2022年こそは、持てる力を発揮したい。

阪神タイガース



 ゴールデン・グラブ賞3度の梅野隆太郎に安定感抜群の守備力を誇る坂本誠志郎という強力な捕手陣の中に、来季入り込んでくるかもしれない。今季ドラフト4位で入団した榮枝裕貴だ。開幕した直後の3月30日に右肋骨を疲労骨折し6月に実戦復帰。その後、10月に再び同じ個所を骨折とケガに泣かされたルーキーイヤーだった。しかし、10月9日のファーム日本選手権では先発マスクをかぶっており、来季に期待が掛かる。魅力は何と言ってもチームNo.1の強肩だ。打撃もファームでは47試合で打率.257、1本塁打、18打点を挙げ、粘り強いのが特徴。立命大時代には大先輩である「古田2世」と言われ、阪神では矢野耀大監督が現役時代に着けていた背番号「39」を託されるなど、その期待は大きい。

広島東洋カープ


広島・宇草孔基


 広島で期待がかかるのは、大卒で3年目になる外野手の宇草孔基だ。2020年に森下暢仁に続くドラフト2位で入団したが、一軍である程度の数字を残しながらも、20年秋の右足首への死球による手術などの影響もあり、一軍定着はできていない。21年はチームがコロナ禍に襲われたあとの5月後半から7月初頭と、10月以降に一軍に上がったが、10月以降は主に一番に入って打率.325と実績を残した。シーズン終了後に右足首の固定プレートを除去する手術を受けたため、22年も他の選手より遅れてのスタートとなる可能性はあるが、鈴木誠也がメジャー挑戦となれば外野のポジションが一つ空席になる。宇草にとってはこれ以上ないチャンス到来となるはずだ。

中日ドラゴンズ


中日・石川昂弥


 将来の四番候補として入団したのは2年前のこと。待望のスラッガー獲得であり、しかも地元出身。22年は高卒3年目となるが、そろそろ出てきてほしいバッターだ。その打球の速さ、飛距離には、新しく就任したばかりの中村紀洋打撃コーチも驚いたという。遠くへ飛ばす力はチームの中でもトップクラス。足りないのは経験だけだ。今季は二軍で死球を受けて戦線離脱。しばらくリハビリ生活が続いたが、少し野球から離れたことで気づいたこともある。得点力&長打力不足のチームにとって石川昂の存在は限りなく大きい。立浪監督も背番号2のブレークを期待している。

横浜DeNAベイスターズ



 才能は誰もが認めるところ。浪漫あふれる和製大砲として期待を一身に集めてきた細川成也も2022年、入団6年目を迎える。高卒1年目のプロ初打席でバックスクリーン直撃の3ランを放ち注目を集めると、日本シリーズでも安打を放った。日本人離れした飛距離を誇りベイスターズのクリーンアップを背負うにふさわしい存在だと思われていたのだが……。ファームでは無双状態も、一軍では結果が出せない日々。今季は固定された外野レギュラー陣、さらには同い年の牧秀悟の加入もあり、37試合、打率.154、0本塁打に終わった。背水の陣で挑む来季を前に、今オフはオースティンに誘われて渡米、一緒にトレーニングを積んだ。ラストチャンスをつかみたい。

写真=BBM
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