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平沢大河、今宮健太、金子千尋…パ・リーグ6球団 崖っぷちからの「逆襲を期す選手」は?

 

2月1日からキャンプがスタートしたが、今季に向けて人一倍、力を入れている選手たちがいる。ここ数年、思うような結果を残せず満ちあふれている悔しさ。パ・リーグ6球団の崖っぷちからの「逆襲を期す選手」を見ていこう。

千葉ロッテマリーンズ



 昨季はオープン戦終盤まで一軍でアピールを続けた平沢大河だったが、終わってみれば2年連続一軍昇格なし。ファームではチーム最多380打席も、2016年のドライチ、将来を嘱望された男に求められるのは“幕張”での躍動だ。今春キャンプはA組スタートが決まっていたが、新型コロナウイルス感染。出遅れを取り戻すにはアピールしかない。一発を秘めるパンチ力ある打撃に磨きをかけつつ確実性を上げ、今季こそ一軍へ。幕張の地で結果を残して健在を示したい。

福岡ソフトバンクホークス



 今オフに選手会長に就任。実力からしてもまだまだ主力であることは間違いないが、今宮健太の言葉からは“崖っぷち”という危機感を感じる。「2022年は今後の人生を左右する1年になってもおかしくない」。ここ数年いい形でシーズンに入りながらも、気がつけば故障離脱というイメージが強くついてしまった。あの守備力をもってしても、今季のレギュラーは約束されていない。むしろ、球団は遊撃を本職とするF.ガルビスを獲得。即戦力ルーキーの野村勇も春季キャンプA組(一軍)スタートから開幕スタメンを狙っている。「しっかり勝ち抜けるようにやっていきたいし、先を見ずに1日、1日を大事にしたい。実戦が早い段階で入ってくるので、結果にこだわっていく」。自らの力で競争を勝ち抜き、レギュラーをつかんで離さない。

オリックス・バファローズ



 榊原翼が3ケタ番号から支配下再登録を期す。2017年に、育成ドラフト2位で入団し、2年目の18年の開幕直前に支配下登録。同年は中継ぎがメーンも、シーズン終盤から先発を任されると、19年は10試合連続でQS達成と先発ローテの軸となることが期待された。ただ、20年は制球が定まらず四球で崩れるケースが目立ち、昨季も唯一の先発登板で5四球を与えて3回途中KO。「一度、頭をすっきりして」と福良淳一GMが意図を明かすように、来季は育成契約に。秘めるポテンシャルは確かなものがある。最速150キロ超の直球は球威十分、スライダー、フォークのキレもある。制球向上で、再び一軍マウンドを目指していく。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 昨年11月の契約更改交渉では300万円ダウンの1000万円でサインした(金額は推定)。一軍では25試合に出場して1本塁打、11打点、打率.204と不振を極めた。「結果として良くなかった。ケガもあったけど自分の中で納得いく打席がなかった」と唇をかんだ。オフには右ヒジのクリーニング手術を行い、背番号は「36」から「67」と大きくなった。逆風ばかりの状況だが、プロ9年目のシーズンに向けて「とにかく結果を残すしかない。もうあとがない」と必死に前を向く。春季キャンプは二軍スタートとなったが、長打力をアピールしてはい上がるしかない。

北海道日本ハムファイターズ



 チーム最年長の38歳・金子千尋がプロ18年目のシーズンを迎える。先発再転向を志願して臨んだ昨季は8試合(6試合に先発)、33回1/3に登板し0勝4敗、防御率6.21に終わった。ルーキーイヤーの2005年以来となる未勝利で年俸も1500万円ダウンの2000万円(金額は推定)。オリックス時代は最多勝2度、MVP、沢村賞と数々の栄光を手にしてきた右腕も現役生活の崖っぷちに立たされている。今季は登録名を「弌大」から本名の「千尋」に戻して原点回帰のシーズンとする。新たなトレーニング器具で体作りを見直し「今年また一からやって結果を残したい」。06年、引退表明直後の新庄剛志監督に満塁弾を浴びた経験もある。現役時代のBIG BOSSと唯一対戦したベテラン右腕が再起をかける。

埼玉西武ライオンズ



 4年契約2年目の昨季、自己ワーストの成績に終わってしまった金子侑司。110試合に出場したが一番定着を果たせず、打率.192。過去2度の盗塁王に輝いた快足も生かせず、盗塁はわずか9個。しかも、失敗も9個を数え、盗塁成功率は5割とまったく納得いかない結果に。だが、「振り返りたくなかったですが、必死に振り返って、いろいろなたくさんの声を受け止めて、『来年やり返したい』という気持ちが持てた」と今季リベンジの思いは強い。オフには結婚も発表。「せっかく僕と結婚してくれたので、嫌な思いをさせないように頑張りたい」。新型コロナウイルス感染でキャンプは所沢に残留して調整でスタートすることになったが、前を向くだけだ。

写真=BBM
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