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昨季は169本塁打の巨人がトップ…過去10年のチーム本塁打「100本以上・未満」の回数は?

 

昨季は本塁打王・岡本が牽引する巨人打線が12球団トップの169本塁打をマーク


 昨季のチーム本塁打は、169本を放った巨人が12球団トップだった。巨人は2004年に歴代最多となるシーズン259本塁打を記録したように強打が魅力のチーム。100本塁打以上は打って当たり前といえるが、100本を下回ったシーズンはあるのだろうか? また、巨人以上に100本塁打を記録しているチームがあるのかも気になるところ。過去10年を対象に、12球団の「100本以上・未満」の回数を調べてみた。

深刻な本塁打不足に陥っている中日


 まずはセ・リーグ6球団の「100本以上・未満」の回数をまとめてみた。
※チームの並びは2021年の順位

ヤクルト
2012年:90本
2013年:134本
2014年:139本
2015年:107本
2016年:113本
2017年:95本
2018年:135本
2019年:167本
2020年:114本
2021年:142本
通算:1236本

・100本以上……8回
・100本未満……2回

 2021年は日本一となったヤクルト。過去10年で見るとシーズン100本以上が8回と強力な打線を維持している。現在も村上宗隆山田哲人と球界を代表する打者を擁しており、よほどの不振に陥らなければ、今後も100本塁打以上をマークできるだろう。

阪神
2012年:58本
2013年:82本
2014年:94本
2015年:78本
2016年:90本
2017年:113本
2018年:85本
2019年:94本
2020年:110本
2021年:121本
通算:925本

・100本以上……3回
・100本未満……7回

 毎年のように得点力不足が課題の阪神は100本以上が3回、未満が7回という結果になった。特に2010年代で100本以上は2010年(173本)、2017年のみ。しかし、ここ2シーズンは100本以上を記録。主砲の大山悠輔、1年目で24本を打った佐藤輝明など本塁打王も争う選手もそろっており、リーグ最多本塁打も狙えるだろう。

●巨人
2012年:94本
2013年:145本
2014年:144本
2015年:98本
2016年:128本
2017年:113本
2018年:152本
2019年:183本
2020年:135本
2021年:169本
通算:1361本

・100本以上……8回
・100本未満……2回

 強打が特徴の巨人だけあり、100本以上は過去10年で8回と多い。「飛ばないボール」だった2012年も94本と100本に迫る数字を残しており、実質100本未満は2015年だけといっていいだろう。昨季も12球団トップの本塁打数をマーク。しかしリーグ3位と順位につながらなかったのが残念なところだ。

9年連続100本塁以上の広島。昨季は鈴木がチームトップの38本塁打


●広島
2012年:76本
2013年:110本
2014年:153本
2015年:105本
2016年:153本
2017年:152本
2018年:175本
2019年:140本
2020年:110本
2021年:123本
通算:1297本

・100本以上……9回
・100本未満……1回

 広島は100本以上が9回で、100本未満も統一球だった2012年のみ。コンスタントさでいえば巨人以上の打線を10年にわたり維持している。しかし、ポスティングで主砲の鈴木誠也がメジャーに移籍するため、今季はこの穴をどのように埋めるのかが課題になる。

中日
2012年:70本
2013年:111本
2014年:87本
2015年:71本
2016年:89本
2017年:111本
2018年:97本
2019年:90本
2020年:70本
2021年:69本
通算:865本

・100本以上……2回
・100本未満……8回

 中日は過去10年で100本未満が8回。現在は4年連続となっている。しかも、昨季(143試合)は、120試合だった2020年を下回る本数。本塁打が出にくい本拠地というハンディはあるが、状況はかなり厳しいといえる。

DeNA
2012年:66本
2013年:132本
2014年:121本
2015年:112本
2016年:140本
2017年:134本
2018年:181本
2019年:163本
2020年:135本
2021年:136本
通算:1320本

・100本以上……9回
・100本未満……1回

 2018年はリーグ最多本塁打を記録するなど、高い攻撃力が特徴のDeNA。過去10年で100本以上9回と広島と並ぶ数字だ。しかし、攻撃力は高いものの、残念ながら投手力が物足りないため上位進出を逃すことも多い。打力は維持しつつ、投手力を高めることが課題だろう。

パでは日本ハムが3年連続で100本未満


オリックスは昨季、杉本裕太郎が32本塁打でタイトルを獲得するなど、パ・リーグ1位の133本塁打


 パ・リーグ6球団のシーズン本塁打数は以下のようになっている。

●オリックス
2012年:73本
2013年:93本
2014年:110本
2015年:94本
2016年:84本
2017年:127本
2018年:108本
2019年:102本
2020年:90本
2021年:133本
通算:1014本

・100本以上……5回
・100本未満……5回

 オリックスは100回以上と未満が共に5回。これまでは打力はあっても投手陣が踏ん張れない、反対に投手は奮闘するが打線が低調とかみ合わないシーズンもあった。しかし、過去10年最多の133本をマークした昨季は高い投手力も相まってついにリーグ優勝を果たした。

ロッテ
2012年:64本
2013年:91本
2014年:96本
2015年:85本
2016年:80本
2017年:95本
2018年:78本
2019年:158本
2020年:90本
2021年:126本
通算:963本

・100本以上……2回
・100本未満……8回

 ロッテは過去10年で100本未満が8回。特に2010年代は長打力が常に不足していた。しかし、昨季は126本塁打、2019年も158本塁打と、ここ数年はリーグでも上位の打撃力を発揮している。念願のリーグ優勝を果たすためにも、さらなる打撃力の強化が必須だ。

楽天
2012年:52本
2013年:97本
2014年:78本
2015年:85本
2016年:101本
2017年:135本
2018年:132本
2019年:141本
2020年:112本
2021年:108本
通算:1041本

・100本以上……6回
・100本未満……4回

 リーグ優勝を果たした2013年も97本と、なかなか100本塁打以上を記録できなかった楽天。しかし、2016年以降は6年連続100本以上と好調だ。2018年オフに加入した現主砲・浅村栄斗の活躍もあるが、島内宏明茂木栄五郎といった生え抜きの奮闘も大きい。

柳田を中心としたソフトバンク打線も強力でコンスタントに本塁打を稼いでいる


●ソフトバンク
2012年:70本
2013年:125本
2014年:95本
2015年:141本
2016年:114本
2017年:164本
2018年:202本
2019年:183本
2020年:126本
2021年:132本
通算:1352本

・100本以上……8回
・100本未満……2回

 巨人と並んで12球団トップの破壊力を誇るソフトバンク。過去10年で100本以上を8回マークしている。現在も柳田悠岐をはじめ、若手の栗原陵矢、ベテランの松田宣浩など、コンスタントに一発が期待できる選手が多く在籍。100本を下回ることはしばらくないだろう。

日本ハム
2012年:90本
2013年:105本
2014年:119本
2015年:106本
2016年:121本
2017年:108本
2018年:140本
2019年:93本
2020年:89本
2021年:78本
通算:1049本

・100本以上……6回
・100本未満……4回

 日本ハムは100本以上が6回、未満が4回となっている。2013年〜2018年は毎年のように100本以上を記録していたが、2019年からは3年連続で100本未満。特に昨季は12球団ブービーの78本と深刻な攻撃力不足に苦しんだ。監督が交代した今季は打線がどう変わるのか注目だ。

西武
2012年:78本
2013年:86本
2014年:125本
2015年:136本
2016年:128本
2017年:153本
2018年:196本
2019年:174本
2020年:107本
2021年:112本
通算:1295本

・100本以上……8回
・100本未満……2回

 強打が武器の西武も過去10年で100本以上が8回。主力がケガで離脱したり、軒並み不振に陥ったりしたシーズンもあったが、それでも100本以上を維持し続けている。これまでは投手が崩れても自慢の打線で跳ね返してきたが、昨季は打線が不調だったこともあり最下位に転落。今季の巻き返しに期待したい。

 12球団のチーム本塁打「100本以上」「100本未満」の回数を紹介した。強打のイメージがある巨人やソフトバンク、西武は過去10年で100本以上8回とさすがの成績だ。しかし、広島とDeNAが9回も記録しているのには驚いた人も多いだろう。一方、深刻な攻撃力不足が続くのが中日と日本ハム。今季、再び100本以上を記録できるのか、ぜひ注目してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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