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柳田悠岐、吉田正尚、村上宗隆、岡本和真…「侍ジャパンの新四番」にふさわしい選手は?

 

 東京五輪で金メダルに輝いた侍ジャパン。稲葉篤紀監督が退任し、昨季まで日本ハムで10年間指揮を振るった栗山英樹新監督が新たに就任することが決まった。3月5、6日に行う予定だった台湾と強化試合は中止となり、栗山監督の初陣は11月を目指すこととなったが、いずれにせよ注目されるのは四番打者だ。鈴木誠也がポスティングシステムでメジャー挑戦を目指していることから、代表メンバーに選出されない可能性が高い。柳田悠岐吉田正尚村上宗隆岡本和真……「栗山ジャパン」の四番に託されるのは誰になるだろうか。

重圧を吹き飛ばす2年連続2冠王


4年連続30本塁打をマークするなど巨人の押しも押されもせぬ四番である岡本


・岡本和真(巨人)
昨季成績143試合出場、打率.265、39本塁打、113打点、1盗塁
通算成績582試合出場、打率.276、135本塁打、410打点、10盗塁

 広角に本塁打を打てる正真正銘のスラッガーだ。高卒4年目の2018年に打率.309、33本塁打、100打点と史上最年少で「3割・30本塁打・100打点」を達成すると、20年も打率.275、31本塁打、97打点で本塁打王、打点王の2冠に。昨季も本塁打と打点の二冠王を2年連続で達成。王貞治(現ソフトバンク球団会長)以来史上2人目の快挙だった。重圧のかかる巨人で不動の四番を務め、結果を残し続けていることは大きな価値がある。18年から4年連続30本塁打をマークし、三塁の守備も安定感が年々増している。侍ジャパンで主軸を張っても不思議ではないスラッガーだが、東京五輪のメンバーに選出されなかった。「栗山ジャパン」では四番候補の有力候補になるだろう。

スキのない打者に変貌


昨季は39本塁打で初のホームランキングとなった村上


・村上宗隆(ヤクルト)
昨季成績143試合出場、打率.278、39本塁打、112打点、12盗塁
通算成績412試合出場、打率.268、104本塁打、296打点、28盗塁

 四番が似合う長距離砲だ。高卒2年目の2019年に全143試合出場で打率.231、36本塁打、96打点をマーク。高卒2年目以内のシーズンで最多本塁打、最多打点の記録を更新した。確実性の向上が課題に挙げられていたが、即座に改善した。コロナ禍の影響で120試合制の翌20年は打率.307、28本塁打、86打点。リーグ最多の87四球で最高出塁率(.427)を獲得し、スキのない打者に変貌した。昨季は巨人・岡本和真と分け合う形で自身初の本塁打王に。9月19日の広島戦(神宮)で35号右越えソロを放ち、21歳7か月のプロ野球史上最年少記録で通算100本塁打に到達した。チームを20年ぶりの日本一に導き、東京五輪でも金メダルに貢献。侍ジャパンで「不動の四番」になれるか。

豪快なスイングと高いミート力


今年10月で34歳となるが、柳田は侍ジャパンに欠かせない存在だ


・柳田悠岐(ソフトバンク)
昨季成績141試合出場、打率.300、28本塁打、80打点、6盗塁
通算成績1138試合出場、打率.319、214本塁打、691打点、156盗塁

 球界屈指の強打者は侍ジャパンに不可欠な存在だ。2015年に打率.363、34本塁打、99打点、32盗塁でトリプルスリーを達成するなど、15年からパ・リーグタイ記録の4年連続最高出塁率のタイトルを獲得。18年も打率.352、36本塁打、102打点で2度目の首位打者を獲得している。ヘルメットが吹き飛ぶほどの豪快なスイングだが、ミート能力も高い。20年には最多安打(146)を獲得。選球眼が良いため昨季もシーズン最多の8敬遠と勝負を避けられることが少なくないが、ストライクゾーンに入った球をきっちりヒットゾーンに飛ばす。東京五輪では「六番・中堅」でスタメン出場の機会が多かったが、四番にふさわしい力量は十分に兼ね備えている。

三振をしない東京五輪の三番


ボールを確実にとらえる打撃で今季は3年連続首位打者を目指す吉田正


・吉田正尚(オリックス)
昨季成績110試合出場、打率.339、21本塁打、72打点、0盗塁
通算成績643試合出場、打率.326、112本塁打、379打点、17盗塁

 現在のプロ野球界で最も打ち取るのが難しい打者だろう。2020年に打率.350、14本塁打、64打点で首位打者を獲得すると、昨季も2年連続で首位打者、自身初の最高出塁率(.429)に輝き、25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。特筆すべきはコンタクト率の高さだ。三振の数が強打者として異常に少なく、20年は492打席で29三振、昨季も455打席で26三振のみだ。柳田同様にフルスイングが大きな魅力だが、苦手なコース、球種が見当たらず広角にはじき返す。好不調の波が少なく、これほど頼もしい打者はいない。出塁率が高いことから東京五輪では三番を担ったが、切れ目のない打線を構築する際に四番で起用される可能性は十分にある。

写真=BBM
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