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高橋宏斗、安田悠馬、藤井皓哉…大ブレークの可能性秘めた「若武者」たち

 

 新星の大ブレークはチームに大きなプラスアルファをもたらす。2020年に1勝だったオリックス宮城大弥が昨年は13勝をマーク。先発ローテーションで最後まで稼働し、25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。同学年のヤクルト奥川恭伸も飛躍の年に。18試合登板でチームトップタイの9勝をマーク。クライマックスシリーズ・ファイナルステージの巨人戦(神宮)では98球でプロ初完投完封勝利を飾り、20年ぶりの日本一も味わった。今年も各球団に楽しみな逸材がズラリ。高橋宏斗安田悠馬藤井皓哉……他球団が警戒を強めるブレーク候補は無限の可能性を秘めている。

前田健太も絶賛の高卒2年目右腕


2021年の中日ドラフト1位・高橋


・高橋宏斗(中日)

 中京大中京高では最速154キロの直球とスライダーを武器に、「高校No.1投手」の称号を引っさげて地元・中日に2021年ドラフト1位で入団。昨年は一軍で登板機会がなく、ファームでじっくり力をつけた。2年目の今年は春季キャンプで存在を強烈にアピールしている。今月11日に行われた紅白戦で2回をパーフェクトに抑える快投。ツインズの前田健太が翌12日に自身のツイッターで、「YouTubeで紅白戦をちょっと見ただけですが中日の背番号19のピッチャー良くないですか? 吉見さん引退されてるので新しい選手かな?」とつぶやいて話題になった。19日のDeNA戦(北谷)でも3回2奪三振無失点の快投。150キロを超える直球が内外角にきっちり決まり、フォーク、スライダーの精度も入団当初より格段に上がった。このパフォーマンスを続ければ、開幕先発ローテーション入りの可能性は十分にある。

非凡な打撃で存在をアピール


今季、ドラフト2位で楽天に入団した安田


・安田悠馬(楽天)

 愛知大で通算32本塁打をマークした長距離砲。フルスイングが持ち味でその飛距離はアマチュアの規格を超えていた。2022年ドラフト2位で楽天に入団すると、非凡な打撃で存在をアピール。「五番・捕手」で初スタメンとなった今月13日の練習試合・日本ハム戦(金武)で鈴木健矢から左中間に適時二塁打。逆方向に伸びる一打にパワーと技術が凝縮されていた。19日の練習試合・阪神戦(金武)でも1打席目に秋山拓巳のフォークを中前にはじき返すと、2打席目でも藤浪晋太郎の内角の直球に振り負けない。藤浪を強襲する強烈な中前打に球場がどよめいた。強肩にも定評があり、22日のヤクルト戦(浦添)では今季初実戦登板の田中将大投手とバッテリーを組み、3回無安打無失点と好リードを見せた。太田光炭谷銀仁朗と激しい正捕手争いに割って入り、開幕スタメンをつかめるか。

育成から「勝利の方程式」入りへ


育成としてNPB復帰し支配下登録を目指す藤井皓哉 [c]SoftBank HAWKS


・藤井皓哉(ソフトバンク)

 この春季キャンプで首脳陣の視線をクギ付けにしているのが、背番号「157」を背負う藤井だ。B組(二軍)から参加した16日の紅白戦で2回を3三振無安打に抑え、A組(一軍)に即日昇格。20日の紅白戦では最速150キロの直球にフォーク、スライダーを織り交ぜて三森大貴佐藤直樹栗原陵矢から3者連続三振を奪った。藤本博史監督が絶賛し、早期の支配下昇格だけでなく、救援で「勝利の方程式」に組み込む構想を示唆するほどだった。挫折からはい上がってきたたくましさがある。おかやま山陽高から2015年ドラフト4位で広島に入団したが一軍で通算1勝に終わり、20年に戦力外通告を受けて退団。昨年は四国IL・高知でプレーし、スライダーを習得したことで投球の幅が広がった。11勝3敗、防御率1.12をマークし、昨年12月にソフトバンクと育成契約を結んだ。ソフトバンクには千賀滉大石川柊太と育成枠から球界を代表する投手になった良きお手本がいる。藤井も夢をつかめるか。

写真=BBM
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