週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

中日・根尾昂に救援で二刀流のススメ? 「映像を見ると今も投手の球」と絶賛の声が

 

手元で伸びる快速球


大阪桐蔭高から中日にドラフト1位で入団し、今年で4年目を迎えた根尾


 中日・立浪和義新監督の下、外野でレギュラー獲りを狙う根尾昂が「思わぬ形」で注目を集めた。

 球団が2月24日に公開したYouTube動画で、根尾、石川昂弥岡林勇希がブルペンで投球練習する姿が。石川は東邦高のエースとして3年春に全国制覇を達成。岡林も高校時代は最速153キロの直球を武器に投手としての評価が高かった。だが、この「豪華ブルペン陣」の中で一際目立ったのが根尾だった。しなやかな投球フォームから手元で伸びる快速球はスピードガンで144キロを計測。大阪桐蔭で3年春夏に投手兼遊撃手で甲子園連覇を飾ったが、投手として名を轟かせた姿は4年経っても変わらない。

 立浪監督は「みんなバッティングが悪かったときにつぶしがきくように……。それは冗談ですけど」と笑った上で、「気分転換にね。根尾なんて非常にいいボールを投げますしね。バッターに代わって(転向して)4年ぐらいですからね。いいボールを投げていましたよね」と感心していた。

「根尾はプロ入りして3年経ちますが、映像を見ると今も投手の球ですよね。岡林は146キロを出していましたが、根尾のほうが投手の球筋だと感じます。あの球を見ると、プロで投手として育成したらどうなっていたかなと想像力を張り巡らしてしまう。今年は3年ぶりに両リーグとも延長12回まで行う方針が示されている。各球団は救援陣の負担を軽減したい中、大量得点差の状況で野手が登板する可能性が十分にある。根尾はもちろん外野が本職ですがレギュラーを獲得して、投手でもマウンドに立つ姿を見てみたいですね」(スポーツ紙記者)

 4球団がドラフト1位で競合した逸材は、プロの壁にぶち当たっている。一軍では1年目は2試合、2年目は9試合出場に終わった。3年目の昨年は「八番・左翼」で自身初の開幕スタメン出場を飾り、5月にはプロ初アーチを満塁弾で飾る活躍を見せたが、打撃の状態が上向かずに後半戦はファーム暮らしだった。72試合出場で打率.178、1本塁打、16打点。レギュラー定着に必要なのは打力であることは明らかだ。4年目の今年は春季キャンプから立浪監督、中村紀洋打撃コーチから熱心に指導を受ける姿が。身体能力の高さは誰もが認めるだけに、首脳陣も殻を破ってほしい思いが強いだろう。

岡田彰布氏も「期待する選手」に


 阪神オリックスで監督を務めた野球評論家の岡田彰布氏も週刊ベースボールのコラムで、「期待する選手」に根尾の名前を挙げている、

「ここは立浪新監督の考え方にかかっている。それでいくと、やっとブレーク候補に現れたのが根尾ではないか。もともと高校時代から打撃力は相当なものと思っていた。プロに入り、ポジションを含めて伸び悩む環境にあったのだろうが、どうやら立浪新監督は若い力をどんどん登用する方針のようだ。それなら根尾にようやく出番が巡ってくる。野球センスにあふれた根尾だし、ゲームに出ることによって経験がそのまま力に置き換わっていく。立浪監督=根尾ラインにオレは期待を寄せる」
 
 春季キャンプ中の実戦では結果を残せていない。24日のDeNAとの二軍戦(読谷オキハム)に「一番・右翼」でスタメン出場したが5打数無安打2三振とふるわず。直球に差し込まれる課題を克服するためには首脳陣の助言を受け、フォーム固めをするしかない。開幕まであと1カ月を切った。一軍生き残りを目指し、アピールの日々が続く。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング