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伝統はつながれていた!  久しぶりに目にした神奈川名物の「隼人園芸」

 

キビキビとした動き


横浜隼人高のグラウンド整備はテキパキとしており、神奈川名物の「隼人園芸」と呼ばれている


 5回裏が始まると、控え部員が三塁側後方のネット越しに集合する。そして、いつ攻撃が終わってもいいように、腰を低くしてスタンバイする(写真)。

 春季神奈川県大会が4月9日に開幕した(4回戦までは無観客試合)。大会序盤は県高野連の公認球場以外に、加盟校のグラウンドも使用する。10日は横浜隼人高が試合会場の一つとなった。

 熱戦はもちろんのこと、興味の一つが「隼人園芸」だった。かつて、同校の野球部員は保土ヶ谷球場の補助員を担当。ところが、コロナ禍で、2020年夏以降は、試合の当該校が分担してグラウンド整備をするようになった。

 腰を低くして、トンボで土をならし、キビキビと動く。神奈川名物として親しまれていた「隼人園芸」は、見られなくなっていた。

 この日は久しぶりの光景であり、気持ちが晴れやかになった。2試合とも5回コールドゲームのため、颯爽と飛び出すシーンは試合前ノック後のみだったが、伝統はつながれていた。リーダー号令の下、15人ほどが担当スペースを手際よく整備する。トレーニングの一環。魂を込めてやれば、足腰を鍛えるのに、最高のメニューなのだ。

 土のグラウンドで付き物は、イレギュラーバウンドだが、この日は無事に試合が進行。常日頃からの入念な手入れの賜物だと実感した。相手を思いやり、感謝する心。グラウンド整備が教育活動の一部であると、横浜隼人高はいつも教えてくれる。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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