週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

松川虎生、風間球打、吉野創士、達孝太…パ・リーグ6球団 「ドラフト1位」の現在地は?

 

開幕して2カ月半が経過したペナントレース。果たして今季、ドラフト1位で入団した期待の選手たちは、現在どのような状況にあるのか。パ・リーグ6球団の「金の卵」たちの現在地を探る。
※記録は6月6日現在

千葉ロッテマリーンズ



 高卒新人捕手として史上3人目となる開幕スタメンマスクを勝ち取った松川虎生。佐々木朗希とバッテリーを組み、冷静かつ大胆なリード4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で完全試合をアシストした。捕球技術は高卒とは思えぬほど高く、31試合、218.2イニングでマスクをかぶって捕逸は2。盗塁阻止率.206は低く、1つの課題とも言えるが、守備面での貢献度は高い。打撃面では打率.141と苦戦しているものの、数カ月前までは高校生。経験を積みつつ、結果を残しているだけに、今後の期待はふくらむばかりだ。

福岡ソフトバンクホークス



 世代最速157キロ右腕としてドラフト前から注目を集めた風間球打だが、球団はあくまでじっくり育成の方針をとる。二軍戦デビューを果たした同じく高卒ルーキーの木村大成とは対照的に、6月6日現在、三軍戦ですら登板していないものの、あくまでも1年目は体づくり優先。将来のエースに向けての道は、まだ始まったばかりだ。風間自身も焦る気持ちを抑えて、しっかりと取り組んでいる。5月11日には同期選手らとともにPayPayドームを訪れ、練習から試合まで観戦した右腕。球団を通じて「やはりPayPayドームは迫力が違います。一軍選手のレベルの高さ、魅力というのを感じることができました。こういう機会をいただけたことに感謝です。自分も一日でも早く、このPayPayドームのマウンドに上がり、勝利をつかみ取りたいと思いました」とコメントを残すと、同日の試合では東浜巨がノーヒットノーランを達成。歴史的快挙を目の前に、さらにプロの世界で大活躍する思いが強くなったに違いない。

埼玉西武ライオンズ



 ドラフトで4球団が競合した大学No.1左腕は前評判に違わぬピッチングを見せ、開幕2戦目のオリックス戦(ベルーナ)に先発。昨年の覇者を相手に堂々たるピッチングを見せ、7回1安打無失点でプロ初勝利と幸先のいいスタートを切った。しかし、その後は勝ち星が遠ざかる。援護点に恵まれない面もあったが、2試合目以降は10試合で0勝6敗に終わる。6月2日の阪神戦(甲子園)では5回まで無四球ながら毎回の12安打を許し、3失点。投手のガンケルにも適時打を浴びてしまった。「四球を出さないことは、投手は誰しも目指しているところなので、良かった点だとは思いますが、打たれてしまったら意味がないので、もう少しピッチングを見直さなければいけないと感じました」。苦い経験を糧にして、まずは2勝目を手に入れたい。

オリックス・バファローズ


オリックス・椋木蓮


 先発、救援ともにこなせ、即戦力の期待が大きかった椋木蓮だが、今春キャンプの実戦デビュー直前にワキ腹を痛めて離脱。リハビリを経て5月に実戦復帰し、ウエスタンで先発登板を重ねている。5月31日の広島戦(由宇)では5回を投げて8安打を浴び、6失点を喫したとはいえ、まだ経験を積んでいる段階だ。最速154キロの直球に、スライダー、ツーシーム、フォークなど多彩な変化球を操るドライチ右腕は、今季中の一軍デビューを目指しつつ、焦ることなく調整を進めている。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 将来のクリーンアップ候補と期待されるスケール感のある右打者だ。1月の新人合同自主トレ前に腰の違和感が発覚して別メニュー調整。春季キャンプでは体づくりをメーンに取り組んできた。4月に入ると「そろそろ試合に出させる」と石井一久GM兼任監督からゴーサインが出て、二軍公式戦デビュー。5月に入るとスタメン出場が増え、15日のイースタン・ロッテ戦(市原ゼットエー)では3安打の固め打ち。うち2本が二塁打で2打点をマークするなど、非凡な打撃センスを見せている。まだまだ体は発展途上であり、焦らず技術と体力を向上させていく。

北海道日本ハムファイターズ



 将来性豊かな194センチ、88キロの大型ドライチ右腕・達孝太は、二軍で着実に実戦経験を積んでいる。高卒1年目は、キャンプからプロで通用する体づくりに専念し、焦らずに独自の調整を積み重ねてきた。プロ初の実戦マウンドとなった4月10日のイースタン・ヤクルト戦(鎌ケ谷)では、自己最速の150キロをマーク。6月5日現在、イースタン・リーグで4試合に登板、4イニングを投げて打者13人に対して1安打、5奪三振で無失点、防御率0.00と好投を続けている。メジャー志向も強く、プロ入り前から最先端のトレーニング法を取り入れるなど高いプロ意識を持つこだわり派。新球場でエースとなる日を目指して、将来を担う大器がじっくりと牙を研ぐ。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング