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故障から戦列復帰の巨人・坂本勇人 V奪回に向けて背番号6が「最も輝く打順」は?

 

巨人に欠かせない主将


すでに2000安打も突破している。打席で風格が漂う坂本


 攻守で替えが利かない選手だ。巨人坂本勇人が6月9日の西武戦(ベルーナ)で40日ぶりに一軍復帰。「五番・遊撃」でスタメン出場すると、3回二死一、二塁のチャンスで先制の左前適時打を放つなど猛打賞の活躍。エース・菅野智之が当日に発熱で先発登板を回避し、ドラフト3位の赤星優志が急遽登板する緊急事態でチームの勝利に大きく貢献した。

 坂本がスタメンに名を連ねるか不在かで、巨人は雰囲気が変わる。今季は「左内腹斜筋筋損傷」で開幕一軍メンバーから外れたが、3月27の中日戦(東京ドーム)で復帰すると4打数4安打の大活躍。その後も岡本和真が欠場した際は四番を務めて3試合連続マルチ安打をマークするなど勝負強さを発揮し、チームも首位を快走していた。ところが、4月30日の阪神戦(東京ドーム)で守備の際に負傷。5月1日に「右ヒザ内側側副靱帯損傷」で登録抹消された。代役として遊撃に入った高卒2年目の中山礼都は攻守で奮闘したが、坂本が不在の間の成績は14勝18敗と失速。ヤクルトに首位を明け渡し、独走を許す状況になっている。

守りでも内野の大黒柱


 巨人OBで野球評論家の堀内恒夫氏は、坂本の守備について週刊ベースボールのコラムで持論を展開している。

「ショートは激務だ。通常の守備範囲も広く、カバーする場面も多い。連係プレーも頻繁で常に動いている。だから、キャッチャーと同じで、少々打てなくても目をつぶって任せるというポジションだと俺は思っている。それにもかかわらず、坂本は守ってよし、打ってよし。体も大型で申し分のない選手だ。坂本に関しては、近年、ほかのポジションにコンバートをさせたらどうか、という声を耳にした。しかし、それには賛成できなかった。セカンドやキャッチャーが固定できない巨人では、坂本の存在が大きい。セカンドが日替わりで出てくることで、その選手によって連係のタイミングを合わせなくてはいけない。みんな、普通に見ているかもしれないけど、誰がセカンドでも合わせられる。あれは坂本だからできることですよ」

「坂本の体はすでにボロボロだと思う。楽をすれば、『ショート・坂本』の終わりは早い。俺の気持ちとしては、ショートで行けるところまで行ってほしいけど、本人がコンバートを希望すれば、話は別だ。坂本は巨人軍にとって功労者であり、自分で生き方を決めることのできる選手だ。これからの彼の生きる道を静かに見届けていきたい」

復帰後は五番を務めるが……


 守るポジションと共に、打順も注目される。今季は二番が最も多く25試合でスタメン出場している。ただ、5月12日から打撃好調のA.ウォーカーが二番に入るようになり、坂本は戦列復帰後に4試合続けて五番でスタメン起用されている。坂本が五番に入ることで、相手は四番・岡本和真との勝負を避けられない。五番は走者を置いた場面で打席が回ってくる機会が多いことから、坂本はポイントゲッターとしての役割が期待される。

 一方でこれまでは二、三番で起用されることが多かった。初回から打席が回り、出塁率が高いためチャンスメークできる。坂本が塁に出て中軸がかえすのが得点パターンだった。

 投手陣の整備と共に、攻撃では坂本をどの打順に配置して、打線を機能させるかが大きなカギを握りそうだ。

写真=BBM
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