昭和タイプの投手
セ・リーグが躍進した今年の交流戦だが、圏外となったのが、7勝11敗の
中日と、5勝13敗の広島だ。
特に最下位となった広島はひどかった。交流戦のチーム打率が.217、チーム防御率が4.38、ホームランも1位の
ヤクルトが24本に対し、わずか2本。すべてが12球団ワーストだ。
ただ、これも交流戦マジックというか、幸運にも広島、中日を除いたチームは首位のヤクルト、最下位だった
阪神が大勝ちした以外、
巨人が借金2、
DeNAは5割。結果的にセではまだ3位に踏みとどまる。
相手が変われば当然流れも変わるが、カギを握るのは先発陣だろう。投手陣に関しては、リリーフは頑張っている。
ケムナ誠、
森浦大輔らがいて、昨年ほどじゃないが、抑えの
栗林良吏も踏ん張っている。
ただ、先発は数はいるが、軸になる選手がいない。本来は
大瀬良大地だが、球威不足で二軍落ちし、
床田寛樹は頑張っているが、エースかと言えば、そうは言えない。
俺が後半戦期待するのは、野村祐輔だ。この間、
西武戦で今季初先発をしたが、相変わらずの存在感がある。
野村は、昭和タイプのピッチャーだ。球速はさほどではないが、コンビネーション、コントロールで抑えるタイプ。緩急をつけ、ボール球も交えていくから、どうしても球数は多くなる。完璧に抑えるというより、そこそこ打たれながらも粘り強く投げ、回を消化していく。
野村には7回で構わないから、これからコンスタントに先発ローテの一角を担う存在になってほしい。週に1回、確実に7回を3点以内に抑えてくれる先発が増えれば、戦いは落ち着く。
野村が踏ん張っているうちに大瀬良が戻れば、またカープは違う戦い方ができるはずだ。
写真=BBM