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日本人メジャーの軌跡

コロナ禍などの不運も重なり結果を残せず22年途中で広島へ移籍した秋山翔吾/日本人メジャーの軌跡

 

2021年、秋山翔吾は勝負の2年目を迎えた。ところが最初から不運でつまずくことになる。キャンプ中の2月末、夫人が倒木に挟まれる事故に遭って入院。付き添いのためシンシナティに戻った。1週間ほど離れた後、3月初めにキャンプに戻るも3月半ばのオープン戦中には左太腿裏の張りで離脱。開幕から出遅れた。

2年目の波に乗り切れず


エルパソ時代の秋山翔吾


 初戦は5月7日のインディアンス(現ガーディアンズ)戦。開幕から30試合目だった。九番・左翼でフル出場し、3打数無安打に終わった。

 初安打は出場6試合目。5月13日のロッキーズ4連戦の1戦目だった。代打で登場してから中堅に入り、8回の3打席目に左前へシーズン初安打を放った。このロッキーズ戦では4試合で13打数6安打と爆発した。

 だが波に乗り切れず、その後は苦戦。なかなか安打が出なかった。そして外野はジェシー・ウィンカーとタイラー・ネイキン、ニック・カステヤーノスが打撃好調。秋山はレギュラーに定着することができなかった。そして9月16日のパイレーツ戦を最後に右太腿裏の張りで戦列を離れ、そのままシーズンを終えた。88試合で打率.204、0本塁打、12打点と、不本意な成績だった。

 契約最終年の今季、チームは大きく変わった。ウィンカーをマリナーズ、カステヤーノスをフィリーズに放出するなど、再建モードに入った。その分、秋山にとってはチャンスであった。しかしオープン戦で結果を残すことができなかった。7試合で22打数4安打の打率.182、本塁打と打点はともに0だった。

 開幕前に戦力外となり退団。5月に入ってパドレスとマイナー契約を交わし、メジャーを目指した。3Aエルパソで16試合に出場して打率.343、3本塁打、21打点の好成績を収めたが、「若手を使っていきたい」という球団の方針のため、パドレスに昇格できず退団となった。

 FAとなり日本球界に復帰した。メジャーではコロナ禍など不運に見舞われ、実力を発揮することができなかった格好だ。

 広島入りが決まり、6月30日に入団発表が行われた。「選手としてまだまだ長くやりたい。もう1回、レギュラーを取る」と、意欲を口にした。結局メジャーでは2シーズンで142試合に出場して71安打で打率.224、0本塁打、21打点。西武での1405安打を加えると1476安打。日米通算2000安打を目指してプレーを続ける。

『週刊ベースボール』2022年8月8日号(7月27日発売)より

文=樋口浩一 写真=Getty Images
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