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RECORD TIPS

通算1200勝で歴代トップ10入りを果たした巨人・原辰徳監督。勝率も1000勝以上で4番目/RECORD TIPS

 

勝ち星、勝率の両方でトップは鶴岡監督


監督歴代勝利数でトップ10入りした原監督


 8月6日のヤクルト戦(神宮)に巨人が3対2で勝利し、原辰徳監督が通算1200勝に到達した。今季は通算1181勝の星野仙一(元中日ほか)を抜いて歴代10位に浮上している。

 原監督の「1200」という勝ち星は偉大な数字だが、勝率.562は1000勝以上を挙げた13人の監督の中で4番目に高いものだ。

 まず上にいるのは巨人監督の先輩でも水原茂の.585、川上哲治の.591。水原は2リーグ分立後に巨人監督に就任すると、51年からの9年間で8度のリーグ優勝、4度の日本一を果たし、東映でも万年Bクラスだったチームを日本一に導いている。川上は言わずと知れた「V9監督」。11度の日本一は今後も破られることのないアンタッチャブルな記録と言っていいだろう。

 巨人が常勝軍団と言われてきた所以を、歴代の監督の成績からも見て取れることができるが、勝ち星と勝率の両方でトップに立つのが南海一筋だった鶴岡一人だ。46年に選手兼任監督に就任、53年から専任監督となり、計23年間も南海の指揮を執り続けた。日本一こそ2度だが、川上に並ぶ11度のリーグ優勝、9度の2位、1度の3位。わずか2度のBクラスはいずれも4位で、49年は勝率は5割。つまり勝率5割を下回ったのは1度だけで、51年の勝率.750は2リーグ分立後の最高勝率だ。


 勝利数で2位は50年代の西鉄黄金期を創出し、60年には6年連続最下位だった大洋を就任初年度で優勝に導いた「魔術師」三原脩。3位は戦前の巨人、戦後の阪神などで指揮を執った藤本定義。三原は計26年、藤本は計29年、監督を務めている。

 1000勝以上の監督でもっとも勝率が低いのは野村克也。鶴岡の教え子であり、南海で兼任監督を務め、90年代にはヤクルトに黄金時代をもたらした名将だが、99年からは阪神、2006年から楽天と当時は低迷していたチームの立て直しに奔走。この間に勝率を大きく落としてしまっている。

 今季は大いに苦しんでいる巨人と原監督だが、どう巻き返し、来季へとつなげていくのか。そしてどこまで通算勝利数を伸ばしていくのか。興味深く見ていきたい。

写真=BBM
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