バースは阪神をVに導く

85年、三冠王に輝いたロッテ・落合[左]、阪神・バース
“猛虎フィーバー”が吹き荒れた1985年。阪神がセ・リーグを制し、2リーグ制で初めて日本一に輝いたシーズンだ。このときのMVPは
ランディ・バース。打率.350、54本塁打、134打点で、三冠王に輝いている。
この85年はパ・リーグにも三冠王が誕生している。ロッテの
落合博満だ。落合にとっては2度目の快挙で、打率.367、52本塁打、146打点。本塁打こそバースに届いていないものの、打率と打点では圧倒していると言ってもいいが、ロッテは
西武に15ゲームも差をつけられて2位。その西武を日本シリーズで撃破したのがバースのいる阪神だったわけだ。
前年のパ・リーグを制した阪急(現在の
オリックス)にも三冠王の
ブーマー・ウェルズがいた一方で、翌86年にもバースと落合は三冠王となったが、阪神3位、ロッテ4位。チームに三冠王がいることは有利には違いないが、1人だけの力では、総合力に勝るチームには届かないということだろう。それでは、歴代の三冠王とチームの順位を一気に振り返ってみたい。
中島治康 1938年(秋)
巨人1位*
野村克也 1965年(パ)南海1位
王貞治 1973年(セ)巨人1位★
王貞治 1974年(セ)巨人2位
落合博満 1982年(パ)ロッテ5位
ブーマー 1984年(パ)阪急1位
バース 1985年(セ)阪神1位★
落合博満 1985年(パ)ロッテ2位
バース 1986年(セ)阪神3位
落合博満 1986年(パ)ロッテ4位
松中信彦 2004年(パ)ダイエー2位*
★は日本シリーズ制覇 *1938年は1リーグで春と秋の2シーズン制。2004年はダイエーが1位でペナントレースを終えるも、プレーオフで西武に敗退しての2位 さて、2022年。
ヤクルトの
村上宗隆が三冠王に迫り、ヤクルトも首位を快走している。いずれにしても、最善を尽くしてファンを最後まで楽しませてほしいと願う。
文=犬企画マンホール 写真=BBM