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村上宗隆のライバルは中田翔?「来年は打点王狙える」と期待の声が

 

2年連続三冠王を狙う村上


来年、中田が打撃三部門で村上の独走を許さないか


 今年のプロ野球界の主役が、ヤクルト村上宗隆だったことに異論はないだろう。

 打ち出したら止まらない。その爆発力は圧巻だった。7月31日の阪神戦(甲子園)から8月2日の中日戦(神宮)でプロ野球史上初の5打席連続本塁打をマーク。8月26日のDeNA戦(横浜)で史上最年少の通算150本塁打に到達した。1試合複数本塁打もシーズン12度もプロ野球新記録。10月3日のDeNA戦(神宮)で、日本記録のシーズン56号本塁打を樹立した。2年連続MVPに輝き、野手で満票選出は1977年の王貞治(巨人)以来45年ぶりの快挙。日本一は逃したが、リーグ連覇に大きく貢献したその活躍は社会現象となり、「村神様」が流行語大賞に選ばれた。

 村上は昨季39本塁打で、自身初の打撃タイトルとなる本塁打王を巨人・岡本和真と分け合ったが、今季は打率.318、56本塁打、134打点で史上最年少の22歳で三冠王に。シーズン終盤のスランプにより、中日・大島洋平が打率で猛追してきたが、振り切ってタイトルを獲得した価値は大きい。

今季は圧倒的なバッティングを見せた村上


 野球評論家の張本勲氏は、週刊ベースボールのコラムでこう力説している。

「私は村上がシーズン56本塁打を打ったことには、さほど興味がない。もっと言えば、どうしてこれほど大騒ぎするのか不思議でならなかった。それはおそらく王貞治(巨人)の55号を超えたからだとは思うが、日本のプロ野球のシーズン最多本塁打は2013年のバレンティン(ヤクルト)の60本ではないか。その記録を超えたのならまだ分かるが、私に言わせれば56号はシーズン歴代2位、つまりは銀メダル。56号と三冠王、どちらが価値があると思うかと聞かれたら、迷うことなく三冠王と答える。もちろんシーズン56本塁打は立派だし、村上の偉業にケチをつけるつもりはないが、価値があるのは打撃タイトルを3つも獲得した三冠王のほうだと強く言っておきたい」

2020、21年打撃2冠の岡本は来年、リベンジを果たすか


 来年は史上4人目となる2年連続三冠王の期待が掛かるが、相手バッテリーのマークが厳しくなる中で、達成することは容易でない。他球団の強力なライバルたちも意地がある。2020、21年と本塁打、打点の2年連続2冠に輝いた巨人・岡本和真は筆頭候補だ。今季は打率.252、30本塁打、82打点で四番から降格するなど不本意な成績に終わった。主将に就任した来季は期する思いが強いだろう。

1年間試合に出続ければ


 タイトル争いのダークホースが、来年に巨人移籍3年目を迎える中田翔だ。今季は前半戦に2度のファーム降格を味わったが、打撃フォームを改造して復活。確実性が格段に上がり、勝負強い打撃で安打を打ち続けた。8月11日の中日戦(バンテリン)から岡本と入れ替わる形で四番に。7月以降の打撃成績は59試合出場で打率.302、17本塁打、45打点の好成績。143試合で換算すると109打点になる。今季の成績でいえば村上に届かないが、例年なら打点王を獲得しても不思議でない数字だ。

 巨人を取材するスポーツ紙記者は「どちらが四番に座るか分からないが、中田は岡本のあとを打つ可能性が高い。チャンスで回ってくる打席が多いので走者をかえせるかが、チームの命運を握る。日本ハムで打点王を3度獲得していますし、今年の後半戦の打撃を継続すればスランプも短期間で乗り切れる。クリーンアップで1年間試合に出続ければ、タイトル争いに絡む可能性は十分にあるでしょう」と期待を込める。

 来季も村上がタイトル争いを独走するか、それとも岡本、中田がストップをかけるか。

写真=BBM
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