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梶谷隆幸、野村佑希、五十幡亮汰…「故障なければ大ブレーク」の可能性秘めた選手たち

 

「無事是名馬」という格言がある。多少能力が劣っていても、故障やケガがなく無事に走り続ける馬は名馬であるという意味だが、プロ野球の世界でも技術だけでなく、試合に出続けることが一流選手の条件に数えられる。持っている能力が高くても、グラウンドに立てなければ宝の持ち腐れになってしまう。ケガで苦しんだ選手自身が責任を感じている。梶谷隆幸野村佑希五十幡亮汰……彼らの能力は申し分ない。心身共にタフになった姿でシーズンを駆け抜けられるか。

育成契約からの再出発


巨人・梶谷隆幸


・梶谷隆幸(巨人)
昨季成績 一軍出場なし
通算成績 956試合出場、打率.270、123本塁打、420打点、160盗塁

 巨人にFA移籍3年目の今季は、育成契約で再出発する。DeNAで2014年に盗塁王のタイトルを獲得するなどリードオフマンとして活躍。俊足だけでなく、17年に21本塁打を放つなど長打力も魅力だった。スケールの大きいプレースタイルが巨人に高く評価され、20年オフにFA移籍。ただ、DeNA在籍時からケガの多さがネックで、巨人でも度重なる故障に苦しむ。

 移籍初年度の20年は61試合出場で打率.282、4本塁打、23打点。7月10日の阪神戦(甲子園)で死球を受けて、右手中指骨折で戦線離脱すると、復帰を目指していた9月に腰痛を発症。患部の状態が思わしくなく、10月に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた。再び出直す形になったが、昨年3月に左膝痛を発症。5月に左膝内側半月板縫合手術を受けたため、今季は一軍の舞台に立てなかった。責任感の強い性格だが、焦りは禁物だ。万全なコンディションを取り戻し、ダイヤモンドを疾走してほしい。

「不動の四番」としてかかる期待


日本ハム・野村佑希


・野村佑希(日本ハム)
昨季成績 93試合出場、打率.279、6本塁打、36打点、3盗塁
通算成績 213試合出場、打率.271、16本塁打、91打点、3盗塁

 新庄剛志監督就任1年目の昨季、清宮幸太郎万波中正今川優馬ら若手成長株が頭角を現した中、「不動の四番」として期待が掛かる野村は不完全燃焼だった。ケガは不可抗力の部分があるため一概に責められないが、入団4年間は故障との闘いになっている。新人の2019年は左股関節の後方亜脱臼、20年は右手小指骨折、21年は左膝打撲の関節炎で戦線離脱。昨年は2月の春季キャンプで左足首捻挫により、開幕二軍スタートに。4月に復帰したが、5月18日のオリックス戦(ほっと神戸)で死球が顔面を直撃して鼻骨を骨折。その後も試合に出続けたが、8月に左腹斜筋の肉離れで戦列を1カ月離れた。

 常時試合に出続ければ、「打率3割、20本塁打」は達成可能な数字だ。オフは打線の主軸だった近藤健介ソフトバンクにFA移籍。戦力的に大きな痛手だが、生え抜きの若手たちが活躍してもらわないと困る。野村は全試合四番出場でブレークできるか。

競争に挑む実績十分の右腕


日本ハム・五十幡亮汰


・五十幡亮汰(日本ハム)
昨季成績6試合出場、打率.286、0本塁打、1打点、3盗塁
通算成績33試合出場、打率.234、1本塁打、6打点、12盗塁

 球界屈指の俊足は入団時から話題だった。中3夏に全日本中学校陸上競技選手権大会に出場し、100メートルで10秒92、200メートルで21秒81を記録して優勝。サニブラウン・アブデル・ハキームに2種目で勝ったことがメディアに大きく取り上げられた。即戦力のリードオフマンとして期待されたが、入団1年目の2021年は左太もも裏の肉離れを2度発症して27試合出場のみに終わる。昨季は新庄剛志監督が、「変革のキーマン」として名指しで挙げるほど期待が大きかったが、3月に腰痛を発症。4月に腰椎椎間板ヘルニア手術を行い、リハビリの末に一軍復帰したのは9月下旬だった。

 機動力を重視する新庄野球で、五十幡は輝ける道がある。故障でグラウンドに立てない時期が長かったことに悔しさがあっただろう。来年は新しい本拠地となるエスコンフィールド北海道で、スピードスターとして旋風を巻き起こしたい。

写真=BBM
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