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坂本勇人&菅野智之…巨人V奪回の「投打のキーマン」は復活できるか

 

長年「チームの顔」として


昨季はケガもあり、わずか83試合の出場に終わった坂本


 昨季4位と5年ぶりのBクラスに終わった巨人は、チームが変革期を迎えている。世代交代が進む中、投打の大黒柱は復活できるか。V奪回のカギを握るのが、「チームの顔」として長年活躍してきた坂本勇人菅野智之だ。

 プロ野球の歴史でこれほど長い期間、正遊撃手として活躍した選手は皆無に近いだろう。坂本がレギュラーをつかんだのは高卒2年目の2008年。以来、チームの中心選手として稼働してきた。16年にセ・リーグの遊撃手で史上初の首位打者を獲得。19年に生え抜きの右打者で最多の40本塁打をマークし、20年に右打者で最年少となる31歳10カ月で通算2000安打をクリアした。

 遊撃の守備でもゴールデン・グラブ賞を5度受賞。坂本が名選手である所以は攻守の技術だけではない。7シーズンで全試合出場するなど、規定打席を14年連続クリア。故障での長期離脱が少なく、万全でない状態でも強行出場する時があった。心身共にタフなリーダーは、チームの象徴だった。

 だが、昨年は想定外のアクシデントに見舞われた。開幕前を含めて3度の故障で戦線離脱。万全のコンディションで臨める時期が少なかったことがパフォーマンスに影響したのか、長打力が落ちたように感じた。83試合出場で打率.286、5本塁打、33打点。352打席と規定打席に到達できず、悔しいシーズンに終わった。

かつてのように相手を圧倒する投球を菅野は取り戻せるか


 球界のエースとして活躍してきた菅野は、昨季2年ぶりの2ケタ勝利となる10勝を挙げた。ただ、最多勝3度、最優秀防御率4度獲得したかつての投球と比較すると、物足りなく映ってしまう。その中で、8月以降は8試合登板で4勝2敗、防御率2.36と安定した投球を続けたのは明るい材料だ。

 戸郷翔征がチームトップの12勝をマークしたが、菅野も先発陣の中心として活躍してもらわなければ困る。背番号「19」で入団し、19年からエースナンバーの「18」に変更。翌20年は開幕13連勝を飾るなど14勝2敗、防御率1.97で最多勝、リーグMVPを受賞する大活躍を見せたが、その後は故障での戦線離脱が目立つようになり、21年は6勝、昨年も10勝と成績が落ちている。

先輩「18」からの厳しいゲキ


 巨人の現役時代に「18」を背負い、通算201勝をマークした堀内恒夫氏は週刊ベースボールのコラムで、後輩の菅野に対する思いを綴っている。

「菅野は13年の入団時からリーグ優勝は4回経験しているけれど、残念ながら、チームを日本一へ導いたことがまだ一度もない。この事実は、これまで菅野が積み上げてきた実績からしたら、本当に信じられないことだよ。巨人は19年と20年には2年連続リーグ優勝を飾った。それでも、日本シリーズではソフトバンクに2年続けて一つも勝てずに8連敗を喫している。確かにこの惨状の責任を菅野一人に押しつけるわけにはいかない。しかし、エースとしてチームに歯止めをかけることができなかったわけだから、やはり物足りなさは感じるね」

「いくらケガをしていたからと言っても、故障は誰にでも付きまとうもの。本人の管理不足と言われても仕方ないだろう。いまや2ケタ勝利さえ危うくなった菅野は、もはやエースと言われるだけの資格があるのか? と俺は思うんだよね。しかも、巨人のエースナンバー18を着けて、日本一を勝ち取ったことがないピッチャーは菅野だけだからさ。本当に寂しい限りだよ」

 手厳しい言葉は愛情の強さの裏返しだ。菅野は33歳、坂本は34歳。ベテランの域に入ったが、まだまだ老け込む年ではない。投打のキーマンは再び輝きを取り戻せるか。

写真=BBM
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