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リーグ3連覇を狙う東京六大学の“安打製造機”明大・宗山塁が掲げる3つのテーマ

 

「上級生」という立場で


明大・宗山は10日間[2月8〜17日]の沼津キャンプを終え、活動拠点である「内海・島岡ボールパーク」でも充実の表情を見せる


 東京六大学リーグ3連覇へ順調な調整を積んでいる。2年秋までに通算61安打を放っている明大・宗山塁(3年・広陵高)だ。

 2月8〜17日まで、3年ぶりの静岡・沼津キャンプを行った。右投げ左打ちの遊撃手。宗山には3つのテーマがあった。

 まずは、守備力。

「土のグラウンド。良い機会でした。腰を低くして捕球。基本を繰り返しました」

 明大の活動拠点である「内海・島岡ボールパーク」は全面人工芝。イレギュラーバウンドがほぼなく、内野手はどうしても、楽をしてしまう傾向がある。打撃が注目されている宗山だが、鉄壁のディフェンスも武器。もう一度、足元を見つめ直したという。

 次に、打撃。

 東京六大学リーグの個人最多安打保持者(131安打)の明大・高山俊(現阪神)は、2年秋までに62安打。宗山は記録更新が期待されている。相手校のさらなるマークが予想されるが、対策を上回る練習量をこなしている。

 そこで、テーマに掲げるのは「安定感」を求める上での「同じ形」だ。つまり、再現性あるスイングを作り上げ、ボールの見極め、球種、コースに対応できるスタイルを体に染み込ませている。

 最後に、リーダーシップ。

 3年生は「上級生」の立場である。昨年までは先輩の背中を追い、自身のプレーだけに集中していれば良かったが、今春からは後輩たちをけん引する役割が求められる。

「4年生のチームという大前提がありますので、最上級生の動きも見ながら、自分なりに発信するように心がけています」

1日1日の積み重ねを大事に


 2年秋までの通算成績は打率.367、8本塁打、35打点。2年春には首位打者、1年秋から昨秋まで3季連続でベストナインを受賞している。昨年はリーグ戦で春秋連覇、明治神宮大会では6年ぶりの優勝の原動力となり、すでに「神宮の顔」だ。ドラフト戦線においても、昨年の候補選手の中でも「1位で指名されてもおかしくない」と言われた超逸材だ。

 周囲は騒がしくなる一方だが、本人は冷静だ。

「1日1日の積み重ねを、大事にしていきたい。リーグ戦も1打席、1球の積み重ねです。一番良い結果を出すための方法を毎日、考えていきたい」

 不動心。宗山は目の前のプレーに専念する。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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