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プロ野球もしもオーダー

第1回&2回WBCの主役…意外? 「四番イチロー」が21世紀のオリックスにいたら【プロ野球もしもオーダー】

 

8年連続の首位打者?


2000年、7年連続首位打者に輝いたイチロー


 第1回、そして第2回と、連覇を達成したWBCの主役といえるイチロー。20世紀の最後に海を渡って、21世紀はマリナーズを中心に日米通算4367安打を残した日本が誇るヒットメーカーだ。ちなみに、NPB通算は1287安打で、メジャーが3089安打。イチローが次々に安打を積み重ねていくたびに、日米通算に異論を挟む向きがあったのも確かだ。

 一方、プロ野球ではオリックスひと筋だったイチロー。去る2022年までリーグ連覇、同年は日本一に輝いたオリックスだが、イチローがいた1996年から22年までの道のりは遠く、決して明るいものではなかったのも事実だ。メジャー1年目の01年から首位打者、盗塁王、新人王にMVPと、その実力を遺憾なく発揮したイチローが、もしオリックスに残っていてくれたら……と思っていたファンも少なからずいただろう。もちろん、そんな思いと、海外で活躍するイチローを応援する気持ちは両立する。いや、だからこそ、もしイチローがオリックスにいたら、と思ってしまうのかもしれない。

 オリックスはイチローがいた95年にオリックスとして初のリーグ優勝、連覇を果たした96年には日本一に輝いたが、イチローはNPBラストイヤーの00年まで7年連続で首位打者に輝いたものの、オリックスは4位。オリックスとなって初のBクラスだった。一方、イチローをブレークに導いた仰木彬監督が退任したのは01年オフで、このときも2年連続4位のBクラス。海の向こうで強烈な輝きを放ったイチローがいたら、違った結果になった可能性も考えてしまう。

 01年のイチローは、マリナーズで242安打、打率.350の数字を残している。試合数が違うため同じ数の安打をNPBで残すのは難しいとしても、01年のパ・リーグ首位打者は打率.346の福浦和也(ロッテ)だったから、もしイチローがオリックスで打率.350をマークしていたら、8年連続首位打者となっていたことになる。それでは、01年のベストオーダーに、00年のイチローをスライドさせてみると、以下のようなラインアップとなる。

1(遊)塩崎真
2(二)大島公一
3(中)谷佳知
4(右)イチロー
5(一)ジョージ・アリアス
6(指)ジョー・ビティエロ
7(左)田口壮
8(三)進藤達哉
9(捕)日高剛

実際のベストオーダーは?


入団2年目に14本塁打を放った葛城


 一番や三番のイメージが強いイチローだが、NPBラストイヤーは四番打者がメーン。この「四番・右翼」をスライドさせて、実際の四番打者から打順を繰り下げて右翼手を外してみた。イチローに弾き出される形となったのは葛城育郎。ドラフト2位で入団した2年目の外野手で、1年目には12試合の出場にとどまっていたが、この01年は130試合に出場、自己最多の14本塁打を放っている。

 一方、実際の四番打者だったジョージ・アリアスは前年は六番が多かったが、01年にアジャストして38本塁打。続くジョー・ビティエロは01年のみの在籍だったが、終盤には四番にも座って22本塁打を放っており、戦略的に打順を組めば、クリーンアップは実際のままで、イチローが一番で打線を引っ張る形もあるだろう。

 実際の01年は2年連続4位のオリックスだが、00年は首位のダイエー(現在のソフトバンク)と8ゲーム差、01年は同じく近鉄と7ゲーム差で、特に01年は3位の西武とは1ゲーム差に過ぎず、打線に打率.350のイチローがいればAクラス入りは可能な気がする。問題は55本塁打に131打点で本塁打王のタフィ・ローズ、46本塁打に132打点で打点王の中村紀洋らの“いてまえ打線”を擁する近鉄。イチローの残留が、あのときの近鉄の勢いを阻むことができるだろうか……。では、続きはファンの皆様の夢の中で。

(オリックス2001年のベストオーダー)
1(遊)塩崎真
2(二)大島公一
3(中)谷佳知
4(一)ジョージ・アリアス
5(指)ジョー・ビティエロ
6(左)田口壮
7(右)葛城育郎
8(三)進藤達哉
9(捕)日高剛

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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