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首都大学リポート

大引啓次コーチのアドバイスも活躍を後押し 開幕戦で初本塁打を放ち勝利に貢献した日体大・重宮涼【首都大学リポート】

 

甲子園には3度出場


日体大・重宮は明石高時代、強打の三塁手として、3度の甲子園に出場している


【4月1日】一部リーグ戦
日体大6−3明治学院大
(日体大1勝)

 4月1日、首都大学野球2023春季リーグ戦(一部)がバッティングパレス相石スタジアムひらつかで開幕した。開幕カードは昨秋のリーグ覇者・日体大と明治学院大。この試合で躍動したのが昨春以来、ひさびさの先発となった日体大・重宮涼(4年・明石商高)だ。

 重宮は明石商高(兵庫)で甲子園に3度出場。1学年下の来田涼斗(オリックス)や中森俊介(ロッテ)とともにプレーし、3年春はベスト4。同夏も「自分は体も大きいので、セールスポイントは長打力です」と話すとおり、宇部鴻城高(山口)との3回戦でホームランを放つなど打率.467の大活躍で、準決勝まで勝ち上がった。

 日体大では昨春にチャンスをつかみ、第2週の東海大戦では二塁打を含む2安打を記録した。しかし、好調は長続きせず。シーズン終了後は股関節の肉離れもあって2カ月ほど戦線を離脱し、秋季リーグではベンチ入りさえかなわなかった。そして、最終学年の4年生となり「昨年の秋は悔しい思いをしたので、春は絶対に試合に出てやろうと思っていました」とリベンジを誓っていたという。

 この冬は「キャンプ中も含めて、ずっとバットを振ってバッティング練習ばかりしてきました」と得意の打撃力のさらなる向上に努めてきた。特に多くの時間を割いていたのが、緩い球にしっかりとアジャストするため、近いところから遅いボールを投げてもらって打つ練習で「気付くと2〜3時間も経っていた」こともあったという。こうした努力により「バットの出が良くなって、広角にヒットが打てるようになった」という重宮。

 その成果はオープン戦で現れ、打率は3割を超え、本塁打も放ってみせた。チームを率いる日体大・古城隆利監督も「このところは調子が良く、バッティングにムラがなくなってきました」と評価。そして、今春の開幕戦では六番・DHでスタメン起用となったのだ。

「調子の波がないように」


 すると、第1打席はいきなり二死満塁のチャンス。「絶対にここで結果を出してやろうと思っていた」という重宮は低めのスライダーに対応し、ショートの左を破る2点タイムリー。続く第2打席も二死二塁から右中間を破る適時三塁打。そして、第3打席は「1打席目に変化球を打っていたので狙っていた」というストレートを捉えてレフト芝生席へ。見事にリーグ初本塁打を放り込んでみせた。腕には大引啓次コーチ(元ヤクルトなど)からもらったというリストバンドを付けて試合に臨んでいたが「大引コーチには『タイミングと集中力。試合になると忘れがちだけれど、それが一番大事』と言われています」と恩師のアドバイスも、この活躍を後押ししたようだ。

 今後に向け「昨春は好調を持続できませんでしたが、今年は間(ま)の取り方を意識して調子の波がないよういにしていきたいです。そして、これまでは自分のことだけで精いっぱいでしたが、今年は4年生にもなったのでチームのことを考えてプレーしていきたい。やっぱり勝つことが一番ですから」と抱負を語った。

 重宮の3安打4打点の活躍もあって6対3で明治学院大を降し、連覇へ向けて幸先の良いスタートを切った日体大。矢澤宏太(日本ハム)の抜けた穴を埋めるため、まずは右の大砲がその候補の一番手に名乗りを上げている。

文=大平明 写真=BBM
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