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村上宗隆の最大のライバル? 巨人・中田翔に「三冠王も狙える」の高評価が

 

打撃タイトルを狙う村上、岡本


開幕から打撃絶好調の中田


 プロ野球が開幕し、注目されるのはWBCで頂点に立った侍ジャパンのメンバーだ。昨季、日本選手新記録の56本塁打を樹立し、三冠王に輝いた村上宗隆(ヤクルト)は、日の丸を背負った国際舞台で打撃不振に苦しんだが、決勝ラウンドで復活。準決勝・メキシコ戦で1点差を追いかける9回無死一、二塁で左中間のフェンスを直撃する逆転の2点サヨナラ適時二塁打、決勝・アメリカ戦でも2回に特大の右越えソロを放った。

 休む暇もなくシーズンが開幕したが、3連覇に向けてきっちりコンデイションを整えるのはさすがだ。3月30日の開幕・広島戦(神宮)では初回の今季初打席で、大瀬良大地のカーブをバックスクリーン左に運ぶ先制2ラン。開幕3連戦を終えて11打数2安打、打率.182だが、心配は皆無だろう。

 侍ジャパンでポイントゲッターとして稼働した岡本和真(巨人)は昨年夏場に調子が上がらず四番を剥奪されたが、今年の開幕・中日戦(東京ドーム)は四番に戻った。新主将に就任した今年にかける思いは強い。開幕戦で1点リードの9回に悪送球の失策で先頭打者の出塁を許し、逆転負けを喫するきっかけを作ってしまったが、バットは振れている。3戦目は今季初のマルチ安打をマーク。2020、21年と2年連続で本塁打、打点と2冠王に輝いている。今年は侍ジャパンの貴重な経験を自信に、打撃タイトルを取るような活躍を期待したい。

状況に応じた打撃


 タイトル争いの有力候補はこの2人だけではない。開幕から絶好調なのが、五番に座る中田翔(巨人)だ。開幕戦で4回に小笠原慎之介の148キロ直球を左翼席に運ぶソロを放つと、8回二死一、二塁で2ストライクと追い込まれながらも内角の直球を右翼線に運ぶ逆転の2点適時三塁打。再逆転を許して白星はならなかったが、2戦目も初回一死満塁の好機で先制の中前適時打を放つと、6回に涌井秀章の147キロ直球を左中間上段に運ぶ2試合連続のアーチ。「本当にパ・リーグ時代から結構、涌井さんにはやられていたので。何とか。お互いこのセ・リーグでね、僕はやり返してやろうという気持ちで打席に立ちました」とお立ち台で振り返る一発で、チームの全得点を叩き出してチームの今季初白星に大きく貢献した。

 他球団のスコアラーは「状況に応じていろいろな打撃ができる。小笠原から打った三塁打は内側からバットが良い形で出ているので、逆方向のヒットゾーンに飛ぶ。以前の中田だったら強引に引っ張りにいって内野ゴロか三振だった。ああいう打撃をされたら、バッテリーはお手上げですよ。昨年の夏場に打撃フォームを改造してからミスショットが少なくなかった。今年は本塁打を量産するだけでなく、ハイアベレージを残すのでは。村上、岡本の成績次第では三冠王が狙えると思いますよ。それぐらい厄介ない打者です」と警戒を強める。

パワーも健在で隙のない打者に」


 日本ハムで打点王を3度獲得したが、打率3割を超えたシーズンは13年のみ。長打力は際立っていたが、確実性があるとは言えなかった。だが、打撃不振によりファームで過ごした昨夏に打撃フォームに踏み切ったことで別人のような姿に。追い込まれてもファウルで粘り、逆方向にも飛ばすようになったことでヒットゾーンが広がった。甘いコースにくればスタンドを軽々と超えるパワーも健在で隙のない打者になっている。

 33歳だが、まだまだ老け込む年ではない。通算300本塁打まであと10本に迫ったが、通過点だ。打撃フォーム改造で生まれ変わった。今年はキャリアハイの成績を残せるか。

写真=BBM
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