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【大学野球】優勝が極めて厳しい状況の立大も…目の輝きは失わないキャプテン

 

全力で勝ち切らなければいけない「使命」


立大は今春、法大1回戦で引き分けたあと、同2、3回戦と早大1、2回戦で4連敗。西川主将[左から3人目]は巻き返しを固く誓う


 東京六大学野球は「対抗戦」である。

 6校が天皇杯をかけて、総当たりのリーグ戦を展開する。優勝が最大の目標だが、目的はそれだけではない。5校との対戦で、何よりも相手をリスペクトして、目の前のカードで勝ち点(2勝先勝)奪取に集中する。

 1925年秋のリーグ創設から、先輩から後輩へと受け継がれてきた伝統の「対抗戦意識」が根付いている。

 2023年春。立大は厳しい戦いが続く。法大との開幕カードを2敗1分で勝ち点を落とすと、翌週の早大戦は2連敗。4敗1分と2017年春以来のVは、極めて厳しい状況となった。

 シーズン序盤でこの星勘定は、モチベーションを保つのが難しい。しかし「対抗戦意識」を念頭に置けば、立大は残り3カードを全力で勝ち切らなければいけない「使命」がある。

 第5週、5月6日からは、立大と同様に、今季、まだ勝ち星がない東大(4敗)と対戦する。そして、慶大(第6週)、明大(第7週)と3週連続で3カードが組まれている。

 立大・西川晋太郎主将(4年)は、早大2回戦後の記者会見で、背筋を伸ばして対応した。智弁和歌山高では1年夏から3年夏まで、5季連続で甲子園に出場した実力者。大舞台を数多く経験してきただけに、一喜一憂しない。

「守備、打撃も課題がある。選手でしっかり話し合いたい。今年のチームはしっかり守って、点数を与えないで、自分たちのペースで試合を進める。1週間空くので、一つひとつのプレー、守備から見直していきたい」

 努めて前向きに話したキャプテンの目の鋭さに、今後の巻き返しへの決意を感じた。開幕2カードで出た課題を修正し「勝ち点3」に照準を合わせる。声出しが解禁となった今春、多くの立教ファンが神宮の応援席に詰めかけている。このまま終わるわけにはいかない。選手たちは伝統のタテジマのユニフォームに誇りを持ち、勝利への執念を見せるだけだ。

文=岡本朋祐 写真=菅原淳
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