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巨人・丸佳浩は復活できるか 秋広優人が大活躍も「巨人のキーマンは丸」の指摘が

 

4月を終えて借金3


巨人が浮上するためには丸の打撃復活が欠かせない


 3、4月を11勝14敗で終えた巨人。菅野智之が右肘の張りで出遅れ、開幕投手を務めたタイラー・ビーディは5試合登板で0勝4敗、防御率5.47と本来の投球ができていない。攻守の中心とした長年活躍してきた坂本勇人も打撃不振でスタメン落ちを経験するなど誤算が相次いだが、明るい材料もある。

 高卒5年目左腕の横川凱が4月23日のヤクルト戦(神宮)でプロ初勝利を挙げるなど2勝をマーク。横川と高卒同期の直江大輔が10試合登板で防御率0.82、ドラフト3位の田中千晴がプロ初登板となった4月13日の阪神戦(東京ドーム)から7試合連続無失点と共にセットアッパーで安定した投球を続けている。

 野手陣の大きな希望の光は高卒3年目の秋広優人だ。4月22日のヤクルト戦(神宮)に「七番・左翼」でプロ初のスタメン出場を飾ると、2回に小川泰弘から右中間突破の適時二塁打。プロ入り初安打で初打点を叩き出し、翌23日の同戦ではプロ初のマルチ安打ときっちり結果を出す。29日の広島戦(東京ドーム)では「二番・左翼」でスタメン出場。2点差を追いかける7回に松本竜也のカーブを振り抜き、右中間にプロ初アーチを叩きこんだ。自主トレを共に行い、師匠と慕う中田翔が9回に逆転サヨナラ2ランを放ち、一緒にお立ち台へ。「初球から積極的にいこうと思っていたので、狙っていなかったんですが結果的に本塁打になってよかったです」と声を弾ませた。

開幕から打撃の状態が上がらず


 秋広だけではない。昨オフに現役ドラフトで楽天から移籍したオコエ瑠偉も充実の日々を送っている。2月の実戦で結果を残し続し続け、一番で開幕スタメンを勝ち取ると、その後もリードオフマンとして奮闘している。21試合出場で打率.256、2本塁打、6打点をマーク。オコエが右翼、新外国人のルイス・ブリンソンが中堅、秋広が左翼という陣容で、アダム・ウォーカーもレギュラー奪取に虎視眈々と燃えている。そして、もう一人復活してもらわなければ困る選手がいる。実績十分の丸佳浩だ。

 広島からFA移籍4年目の昨年は、チームで唯一全143試合に出場。打率.272、27本塁打、65打点をマークした。今年は守備の負担を減らすために慣れ親しんだ中堅から右翼に。外野のレギュラーが唯一固まっている存在だったが、4月は17打席連続無安打と打撃不振に陥り、9日の広島戦(マツダ広島)で今季初のスタメン落ち。19日のDeNA戦(佐賀)で2打数2安打と快音を響かせたが、下半身のコンディション不良で6回の守備から途中交代した。その後は代打で出場が続いている。21試合出場で打率.180、1本塁打、4打点。スタメン復帰を目指しているが、秋広やオコエの台頭でレギュラーを確約された立場ではない。

 スポーツ紙デスクは、「ペナントレースは長丁場です。シーズンを通して稼働した経験がないオコエ、秋広は期待をしても計算はできない。一方で丸は活躍してもらわなければ困る選手です。34歳とベテランの域に入りましたが、同世代の中田翔、広島でチームメートだった菊池涼介は好調を維持しています。まだまだ老け込む年ではない。V奪回のキーマンです」と指摘する。

経験という大きな財産


 丸は2020年2月に週刊ベースボールのインタビューで、野球への向き合い方について以下のように語っている。

「まず、トレーニング系は継続で、技術的なことに関しては、その時期にしかできないこと、それまでの自分自身の考え方の常識的なものとは別のやり方で、つまりはアプローチ方法を変えて試してきました。真剣にやってないわけではないですけど、遊び心を持ちながら。今の野球って、年々進化していて、ずっと“これでいい”というのはないんです。このご時世、たくさんの情報をすぐに得られるわけですから、例えば、新聞とか雑誌で気になる情報があれば、実際にやってみて、こんな感じなんだ、と」

「取り入れるかどうかはやってみてから決断します。今、合わないだけで、ゆくゆく歳を重ねて、35歳くらいになったらハマるかもしれませんしね。自分はダメだったけど、ほかの人には合うかもしれないし、そう思えば、若い選手にアドバイスができますよね。最近はオールスターや、侍ジャパンに呼んでもらえて、他チームの選手とコミュニケーションを取るんですが、彼らの考え方を聞くっていうのは、そういうことだと思うんですよ。つまり、自分の引き出しを増やす。聞いただけにしないでA、B、Cとやってみて、体感したことは財産で、野球選手として成長できていると僕は思います」

 経験という大きな財産で幾多の試練を乗り越えて来た。丸の復調を、巨人ファンは心待ちにしている。

写真=BBM
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