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バウアー加入で首位快走のDeNA 他球団から「余力を一番感じる」と独走警戒の声が

 

今季最多タイの貯金9


サイ・ヤング賞投手のバウアーが5月3日の広島戦で初先発。7回1失点で来日初勝利をマークした


 1998年以来、25年ぶりのリーグ制覇を目指すDeNAが、首位を快走している。

 3、4月は16勝7敗と大きく勝ち越し。開幕4連敗を喫したがその後は白星を積み重ねていく。4月23日の広島戦(マツダ広島)から7連勝。ホームの横浜スタジアムで9連勝と熱狂的な声援を力に圧倒的な強さを見せている。

 盤石の戦いぶりを見せる中、頼もしい右腕が大きなプラスアルファをもたらそうとしている。3月に電撃入団した前ドジャースのトレバー・バウアーだ。レッズ在籍時の2020年にサイ・ヤング賞に輝くなど、メジャー通算83勝をマーク。21年にDV問題が発覚し、制限リストに入っていたが、DeNAは入念な調査を経て獲得を決断した。

 ファームで3試合の登板を経て、今月3日の広島戦(横浜)で来日初登板。2回にレッズで同僚だったマット・デビッドソンに先制ソロを浴びたが、その後は走者を背負いながらも決定打を許さない。98球を投げ、7回7安打1失点。毎回の9奪三振で来日初白星をマークした。打撃でも同点の5回に一死一塁でバントをきっちり決め、楠本泰史の勝ち越し打を呼び込んだ。チームは今季最多タイの貯金9になった。

「主力が抜けても落ちないチーム力」


 他球団のスコアラーは、DeNAの強さについてこう分析する。

「21年の最下位から昨年2位に躍進したことが、選手たちにとって大きな自信につながっていると思います。DeNAは戦力の層が厚い。ネフタリ・ソトが打撃不振でタイラー・オースティンも右肘の手術明けで一軍に合流していない。宮崎敏郎は絶好調だが、佐野恵太牧秀悟も本調子と言えない中で白星を積み重ねている。主力が抜けてもチーム力が落ちないし、セ・リーグの6球団で余力を一番感じます」

捕手3人体制が機能


 正捕手格の嶺井博希が昨オフにソフトバンクへFA移籍したが、その穴を感じさせない。捕手は伊藤光戸柱恭孝山本祐大の3人体制で投手の良さを引き出している。相川亮二チーフ作戦兼バッテリーコーチは開幕前に週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っている。

「今季、私たちは“横浜頂戦”というスローガンを掲げました。意味は言わずもがな“頂点(優勝)に挑戦する”です。捕手陣に関しては、もちろん若手も育っていますが、戸柱、伊藤というほかの球団でもスタメンマスクをかぶれるほど総合力が高い2人に加えて、まだ攻撃面には課題を残すものの、山本も守備面では一軍レギュラー選手に引けを取らない能力を持ち合わせています。守備面での不安がないこの3人がいるからこそ、試合の中でもほかの選手を要所で使う柔軟な起用ができます。これは、DeNA捕手陣最大の強みだと私は考えています。シーズン通しても、彼らの存在は非常に頼もしいですね」

伊藤[右。左は宮崎]ら3人の捕手がしっかりと投手をリードしている


「加えて、私がコーチとして来た昨年から感じていたことですが、DeNAの捕手陣はチーム全体で戦おうという意思をとても強く持ってくれています。捕手陣が独立しているのではなく、チームの中に捕手陣があるのです。この雰囲気は私たちコーチ陣もすごくやりやすいですし、実践している選手たちに感謝したいですね」
 
 期待の言葉を裏付けるように、今季は伊藤、戸柱、山本がチームを牽引している。

 21、22年とリーグ連覇したヤクルト中村悠平内山壮真オリックス若月健矢伏見寅威(現日本ハム)と捕手陣の貢献度が非常に高かった。DeNAも扇の要である「3本の矢」がチームの命運を握りそうだ。

写真=BBM
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