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2023夏の甲子園

【2023夏の甲子園】始球式を務めた栗山英樹氏 WBC「世界一の要因」として「甲子園」の存在を挙げた理由は?

 

「100倍くらい緊張した」


3月のWBCで監督として日本を世界一へ導いた栗山氏が、夏の甲子園の始球式を務めた[写真=田中慎一郎]


 第105回全国高等学校野球選手権記念大会が8月6日、阪神甲子園球場で開幕した。土浦日大(茨城)と上田西(長野)の開幕試合で始球式を務めたのは、3月のWBCで監督として日本を世界一へ導いた栗山英樹氏だった。

 ノーバウンド投球で大役を終えた栗山氏は「世界一の要因」の一つとして「甲子園」の存在を挙げた。それは、なぜか。

「トーナメント戦を高校時代に経験していて、最後、勝ち切れたのは大きかった。日本の持っている甲子園の文化というものが、体の中に染みついている」

 負ければ終わりのギリギリの勝負。高校時代にこの場を踏んでいることが、ここ一番の集中力につながったことは間違いない。

 多くの高校球児は、この大舞台でプレーできることに「感謝」し、支えてくれた関係者への「恩返し」を口にする。栗山氏は独特の表現でメッセージを残した。

「私はこの大甲子園を久々に見て、涙が出ました。周りは勝手に自分の人生を重ね合わせて、頑張ろう!! と思ったりする。選手たちはそんなことはまったく気にしないで、せっかくここまで来られたので、自分の思いどおりに、好き勝手に楽しんでほしい。必死な姿に子どもたち、われわれ大人も自分の人生、頑張らないといけないな、と思う。選手たちは思い切って、野球をやってほしいです」

 栗山氏らしい、選手ファーストの思いやりある言葉だ。「100倍くらい緊張した。プロ野球で初めて試合に出場したときぐらい」と笑顔で始球式を振り返った。「世界一」へと導いた理由がよく分かった。

文=岡本朋祐
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