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4カード連続勝ち越しの阪神 「死のロード」はもはや死語…岡田彰布監督が描く「アレ」への青写真

 

8月6日現在、首位を堅持している阪神。「長期ロード」の真っ最中だが、マイナスではなく、むしろプラスとなっている。18年ぶりの優勝に向かって岡田彰布監督の心にブレはない。

貯金18で2位・広島と2.5ゲーム差


8月5日のDeNA戦[横浜]で先制&決勝3ランを放った四番・大山


 主砲のひと振りがチームを勢いづけた。8月5日のDeNA戦(横浜)。初回一死一、三塁で打席に入ったのは阪神の四番・大山悠輔だ。「初回からチャンスで回ってきたので、何とかしたい気持ちでした。しっかり準備して入れた。準備は1年間、大事にしていることですから」。初球、大貫晋一が投じた高めに浮いたスライダーを見逃さない。鋭くたたくと打球は左中間席へ飛び込む先制&決勝の3ランとなった。

 阪神打線は3回にも青柳晃洋近本光司の適時打で2点を追加。7、8回にも1点ずつを加え、投げては青柳が6回3失点と試合をつくった。7対3と快勝し、4カード連続で勝ち越し。翌日の同カードでも3対2で勝利して貯金を18に増やし、2位・広島とのゲーム差を2.5ゲームに広げた。

 夏の甲子園が開幕し、8月1日の中日戦(バンテリン)から「長期ロード」がスタート。本拠地・甲子園で戦えない日々が続くが、岡田彰布監督は泰然自若としている。週刊ベースボール連載『そらそうよ』では次のように指摘していた。

「昔はご存じのとおり『死のロード』なんて呼ばれたけど、それはもう死語。長期ロードも快適に過ごせる。でも、やはり特別な暑さは応える。8月はドーム球場で5カードとなっている。これは大きい。移動があって、屋外球場で試合が続くと、これは相当、肉体的にきつい。なにせ、この暑さよ。疲労がたまり、動きに影響するのは当然です。それがこの8月、多くのドーム球場でのゲームが組まれていることで、緩和できるはず。8月は、そういうところでの戦いになってくると見ている」

 8日からは巨人戦、11日からはヤクルト戦が組まれているが、それぞれ東京ドーム、京セラドームで戦うことができる。酷暑の中、それは大きなアドバンテージになるのは間違いない。

新外国人のリリーフ右腕が加入


8月5日には新外国人・ブルワーの入団会見が行われた。カーブとカットに自信を持っているという


 打線は8月3日から3試合連続2ケタ安打と活発だったが、阪神らしく戦う核は貫く。それは相手より多く得点し、投手陣で守り、逃げ切る。先行逃げ切りという形だ。だからこそ、優勝へのポイントには「ブルペン陣」を挙げ、徹底的に手を打つ。150キロ超のカットボールを武器にメジャーで84試合に登板した実績を持つコルテン・ブルワーを獲得。ブルペンに厚みをもたらす。

「いかに日々、自分たちの野球ができるか。1点でも多く取り、1点でも少なく守り切るか。だから奇をてらったことなど、する気はない。地に足を着けた戦い。それが普通にできるチームになることが重要だと、オレは信じている」(岡田監督)

 百戦錬磨の指揮官は過去の経験から優勝を成し遂げるのは簡単ではないことを熟知している。8月を乗り越え、勝負の9月、そして10月に勝ち切る――。指揮官の頭の中には、しっかりと青写真が描かれている。

写真=BBM
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