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かつての中心選手が今季8試合出場のみ…今オフ動向注目される「楽天の巧打者」は

 

ファームでは格の違う打撃


今季はここまで一軍で8試合出場に終わっている茂木


 かつての主力選手が、一軍から遠ざかっている。楽天茂木栄五郎だ。

 今季は開幕一軍入りしたが、8試合出場で打率.083、0本塁打、1打点。4月21日に登録抹消以降は4カ月近くファーム暮らしが続いている。イースタン・リーグでは59試合出場で打率.319、2本塁打、22打点。好調を維持しているが、一軍からお呼びの声が掛からない。本職の三塁は新外国人のマイケル・フランコ、昨年のシーズン途中にDeNAからトレードで加入した伊藤裕季也がスタメンで出場する機会が多い。

 他球団の首脳陣は茂木について、「ファームでは格が違う。バットは振れているし、29歳でここから脂がのり切る時期になる。実績がある選手だし、まだまだ一軍のレギュラーで活躍できる力を持っている」と評する。

 入団1年目の2016年から遊撃のレギュラーとして活躍。開幕戦で新人野手のスタメン出場は球団史上初の快挙だった。本職は三塁だが、チーム事情で遊撃を守り奮闘した。117試合出場で打率.278、7本塁打、40打点、11盗塁をマーク。7三塁打はリーグトップだった。この年のパ・リーグの新人野手で規定打席に唯一到達。新人王は日本ハム高梨裕稔(現ヤクルト)の131票に及ばなかったが、2位の116票を集めた。

2019年に自己最多出場


 19年には自己最多の141試合出場し、打率.282、13本塁打、55打点を記録。茂木は週刊ベースボールのインタビューで、「今年は打ちにいった中で、ボール球を見逃せているなと感じています。結果的にですけど、『ボール球を振らない』と思って見送るのではなく、打ちにいった中で、『これは打てない』、『これは打たないほうがいい』と思って見送ることができているのがいいのかな、と。僕は初球から振りにいけるのがいいところだと言われて、『初球から振らなきゃいけないんだ!』と思ってしまっていた部分がありました。そういったところをもう一度考え直し、追い込まれるまでは自分が打てるボールを振っていこうと決めて打席に入るようになりました。それがいい結果につながっているのではないかなと思います」と語っていた。

 さらに「あとは今季から(当時の)バッティングコーチの金森栄治コーチが『甘いところを打っていこう、優しい球に積極的に手を出していこう』ということを話してくださり、チームとして取り組んでいます。そういったところを意識していくうちに、甘いところに目付けをするようになって、厳しいところを見送ることができるようになっていきました。その成果が何とか食らいつけてやっていけている要因かなと思います」と好調の要因を分析していた。

今年4月にFA権を獲得


 プロ5年目の20年から主将を2年間務めるなど、首脳陣の信頼も厚い。だが、昨年は開幕直後に新型コロナウイルスに感染して戦線離脱を強いられるなどコンディション調整に苦しみ、73試合出場で打率.223、9本塁打、30打点と振るわず。巻き返しを誓った今年だが、一軍での出場機会が激減している。

 茂木は今年4月に国内FA権を取得。推定年俸7400万円で人的補償が必要なBランクであることを考えると、権利を行使した際に獲得へ乗り出す球団は現れるだろうか。

「楽天に残留するにせよ、他球団でのプレーを模索するにせよ、大幅減俸は避けられない。近年結果を出していないので、他球団は人的補償が必要なBランクで獲得するハードルが高い。残留が基本線になると思いますが、どのような決断を下すか」(スポーツ紙記者)

 シーズンはまだ40試合近く残っている。一軍で茂木の勇姿を見たいファンは多いだろう。意地を見せられるか。 

写真=BBM
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