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育成入団から大化けか オリックスの154キロ右腕に「山下舜平大に匹敵」の驚きが

 

球威が増したピッチング


シーズン終盤にオリックス先発陣に加わった東


 リーグ3連覇に向けて首位を独走するオリックスに、頼もしい新星がまた一人現れた。プロ6年目の最速154キロ右腕・東晃平だ。

 今季は開幕一軍入りしたが、救援で2試合連続失点を喫して4月9日に登録抹消。先発に配置転換されてファームで鍛錬の日々を積み、7月30日に一軍に戻ってきた。同日の日本ハム戦(エスコンF)で5回2失点に抑えて今季初白星を飾ると、8月6日の西武戦(ベルーナ)も5回無失点の好投で2勝目をマーク。20日の日本ハム戦(京セラドーム)は、7回3安打無失点と150キロを超える直球でねじ伏せた。プロ最長のイニングを投げて、6奪三振をマーク。味方の援護がなく3連勝はならなかったが、投球は安定感抜群だった。

 他球団のスコアラーは驚きを口にする。

「制球がばらついて、回を追うごとに球速が落ちていた昨年までとは別人のようだった。体が一回り大きくなり、球威が増した感じがする。カーブ、ツーシームもきっちり制球できているので追い込まれるとなかなか打てない。先発ローテの谷間ではなく、能力の高さで言えば山下舜平大に匹敵すると思います」

宇田川と同時期に支配下昇格


 育成ドラフト2位で神戸弘陵高から入団した際は、線が細かった。ファームでは好投を続けていたが、一軍への道は遠かった。プロ5年目の昨年7月28日に支配下登録。8月6日の日本ハム戦(京セラドーム)でプロ初勝利を挙げるなど、4試合登板で1勝0敗、防御率4.85をマークしたが、脚光を浴びたのは同時期に支配下昇格し、セットアッパーでリーグ連覇に貢献した宇田川優希だった。19試合登板で2勝1敗3ホールド、防御率0.81をマークし、クライマックスシリーズ、日本シリーズでも好投を続けた。今年3月のWBCでは侍ジャパンに選出されて世界一に貢献。宇田川の大活躍は、東も発奮材料になっただろう。

 今季は高卒3年目の山下も先発ローテーションに定着し、15試合登板で9勝3敗、防御率1.70と大ブレーク。中嶋聡監督の大胆な用兵術も忘れてはいけない。東は今年の春先に救援で結果を残せなかったが、ウエスタン・リーグで5勝2敗、防御率2.18と先発で結果を残して一軍昇格のチャンスをつかんだ。

他球団より速い“進化のスピード”


 熱狂的なオリックスファンで知られるジャニーズの人気グループ・なにわ男子の藤原丈一郎は週刊ベースボールのオリックス特集で、オリックスの魅力を熱弁している。

「何で、ここまでメンバーを固定しないの!? と思ってしまうほど、日替わりオーダーに投手陣もガラッとメンバーが変わる。今年に限ったことではなく、2021年、22年もそうなんです。21年の日本シリーズのスタメンを見返せば、中川圭太選手の名前はない。今では考えられないんですよね。そんな選手起用を含め、チームは変化し、進化しているんですけど、これって中嶋聡監督の変化と進化とも思えるんです。もちろん、他球団も毎年、毎年、変化して進化している。でも、オリックスの“進化のスピード”は他球団より速い。これは、監督の多彩な起用と采配の結果だと思うんです」

「進化し続けるチームだからこそ、目を離すわけにはいかないんです。シーズン中も一軍メンバーが変わり、どんどん新しい戦力が出てくるので、自然とファームの試合もチェックするようになり、『この選手、調子が良いな』って思っていると、翌日に一軍登録されることも多くありますから。気が付けば、いつもそばにオリックスがある。どんどん惹き込まれていくんですよね。今年こそマジック点灯で、スタンドで『M〇』のボードを掲げてカウントダウンをしたいので(笑)、僕らファンも3連覇へ向けて、声援で力になっていきたいと思います!」

 山本由伸宮城大弥山崎福也、山下に加えて東が先発で一本立ちすれば、リーグ3連覇に向けて死角がなくなる。支配下昇格まで苦難の道が続いたが、まだ23歳。大ブレークの可能性を秘めた右腕に要注目だ。

写真=BBM
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