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巨人で今季2勝をマーク…日米170勝右腕が「15勝できる投球フォーム」と絶賛の右腕は

 

成長の跡を見せたピッチング


シーズン最終盤で先発としてチームの力になっている赤星


 4位から逆転でのCS進出を狙う巨人に、頼もしい右腕が戻ってきた。2年目右腕の赤星優志だ。

 新人の昨季は31試合登板で5勝5敗5ホールド、防御率4.04。制球力が良く先発、救援と起用法の幅が広い。今季は先発で活躍することを誓い、開幕から先発ローテーションを勝ち取ったが、6試合先発登板で0勝4敗、防御率6.14と苦しんだ。初登板となった4月2日の中日戦(東京ドーム)では7回5安打1失点の好投を見せたが、その後は痛打を浴びて大量失点が目立つように。5月23日のDeNA戦(東京ドーム)で3回5失点KOを喫し、ファーム降格となった。

 右肩のコンディション不良もあり一軍のマウンドから遠ざかったが、7月以降はファームで好投を続けて、8月24日のヤクルト戦(東京ドーム)で3カ月ぶりに一軍のマウンドに。先発で7回8奪三振無失点に抑え、今季初勝利を挙げた。成長の跡を見せた場面が、1点リードで迎えた6回無死一、二塁のピンチだった。ホセ・オスナをカットボールで三邪飛、村上宗隆を147キロ直球で空振り三振、ドミンゴ・サンタナを147キロ直球で左飛に仕留めて無失点で切り抜けた。

直球を主体にした配球


「カーブ、フォーク、スライダー、カットボール、ツーシームと多彩な変化球を持っているため走者を背負うとかわす傾向があったが、150キロを超える直球を主体にした配球で押し込んでいた。バッテリーを組んだ岸田行倫もうまく持ち味を引き出したと思います。赤星が一軍の舞台で白星を重ねるヒントをつかんだ登板になったのではないでしょうか」(スポーツ紙記者)

8月31日の広島戦では今季2勝目をマークした


 負ければ同一カード3連敗の危機だった8月31日の広島戦(岐阜)も5回5安打無失点の粘投で2勝目をマーク。初回に先頭打者・菊池涼介の打球が右肘を直撃したが、先発の役目はきっちり果たし、今季10勝をマークしている相手左腕・床田寛樹との息詰まる投手戦を制した。お立ち台では「守備の皆さんに助けられて何とか粘ることができました。もっと長いイニングを投げられたらよかったんですけど、最低限の仕事はできたかなと思います。たくさんの応援があって痛みを忘れるぐらいの投球ができました」と感謝の言葉を口にして、スタンドから大きな拍手が降り注がれた。

お手本になる投球フォーム


 投手としての総合力は非常に高い。現役時代に日米通算170勝をマークした野球評論家の岩隈久志氏は昨年10月に投球フォームの連続写真を分析する週刊ベースボールの連載で、「本当にお手本になるような投球フォームです。大きな特徴がないだけに、逆に長いイニングを投げられるはず。さらに一軍で勝つためには自分のことをよく知ることが大事だと思います。個人的にはシュートが素晴らしい投手と感じます。その使い方がもう少しうまくなれば、毎年先発ローテーションを守り15勝はできるだけの投球フォームを持った投手だと思っています」と赤星を絶賛していた。

 同期入団の同学年ではドラフト1位の大勢は昨季37セーブを挙げて新人王を獲得。2年目の今季は育成出身の菊地大稀が40試合登板、4勝3敗8ホールドで一軍に定着した。他球団では、ドラフト1位で4球団が競合した左腕・隅田知一郎(西武)が先発ローテーションに定着し、7勝をマークしている。

 赤星も能力の高さでは決して見劣りしない。悔しい思いをした分、シーズン終盤で白星を積み重ねたい。

写真=BBM
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